【8月】《66冊/350冊/244日》●『エロ事師たち』『外伝・麻雀放浪記』『天皇・反戦・日本』/【DVD】『昭和残侠伝 一匹狼』『麻雀放浪記』『ニキータ』

2008年8月31日 23:02:07

昨日も今日も、健さんを観た。何度も観ている映画。なぜか無性に観たくなることがある。
『昭和残侠伝』『昭和残侠伝唐獅子牡丹』『昭和残侠伝一匹狼』
3本を続けてみる。昭和残侠伝は、シリーズで9作作られている。

主演ももちろん健さん、監督がちょっと違う9作品。
佐伯清で5作、マキノ雅弘で3作、山下耕作で1作。
好きなのは、上の第1作から第3作。監督は、佐伯清。
そして、第7作の『昭和残侠伝 死んで貰います』。監督は、マキノ雅弘。

何が好きなんだろうな、と考える。
完全な様式美、敗北の美学、そして美学の勝利。その道程。
健さんは最後に敵に向かう。
背中の唐獅子牡丹、一人、抜き身の刀、歌は『唐獅子牡丹』。
初めて観たのは、高校生の頃だったか。
レンタルビデオ、というシステムがようやくでき始め、
日本海に面した小さな町にレンタルビデオ屋さんが、できた。高校2年生の頃。
小さな店に並ぶのは、新作の映画と任侠モノに東西の名作、そしてアダルト。
VHSとBetaの両方を貸し出していた。
うちにあったプレイヤは、Beta。Beta独特の小さなビデオを借りて観た。

そのレンタルビデオ屋の店主が誰だったか知らないけれど、
いつも店にいたのは、近所の先輩。先輩がアルバイトで働いていた。
店で薦められたのか、高校生の頃、初めて『昭和残侠伝』を観た。
健さんにやられてしまった。
健さん、かっこいー、となった。
健さんみたいに生きたいと単純に思った。

パンクにはまりにはまって、バンドで歌っていた。
SexPistols、TheCrash、TheWho、Jam、TheMods、TheRoosters・・・
ギターが上手になりたいと練習ばかりしていた。
町の公民館でバンドの練習をしていた。
公民館から海沿いの自宅まで3km。バンドの練習を終えて、帰り道、自転車。
田んぼの畦道をエレキギターを背中に『唐獅子牡丹』を歌った。

レコードと映画では、歌詞が違う。
やっぱり映画版の『唐獅子牡丹』がいい。断然いい。


【映画版の2番】
親にもらった 大事な肌を
墨で汚して 白刃(しらは)の下で
積もり重ねた 不孝の数を
なんと詫びよか オフクロに
背中(せな)で泣いてる 唐獅子牡丹

【レコードの2番】
親の意見を 承知ですねて
曲りくねった 六区の風よ
つもり重ねた 不幸のかずを
何と詫びよか おふくろに
背中(せな)で泣いてる 唐獅子牡丹

よく知られているのは、レコードの1番。歌われているのもこれかな。
カラオケに行くとこれだからな。

【レコードの1番】
義理と人情を 秤にかけりゃ
義理が重たい 男の世界
幼なじみの 観音様にゃ
俺の心は お見通し
背中(せな)で吠えてる 唐獅子牡丹

あれから25年が経ったけれど、やっぱり健さんかっこいー。
8月最後の日。どんどん読んで、追い込み。なんだかぼんやりと眠いけれども、本を読む。
いつの間にか眠っていたりしていたけど、本を読んだ。
頭が飽和したら映画を観た。
健さんを観て、大好きな『麻雀放浪記』に『ニキータ』。
ご飯を食べながら、食べ終えて煙草を吸いながら、コーヒーを飲みながら、
膝を抱えて、健さんを、ドサ健を、ニキータを。

こうやって3本を並べてみると、明らかな共通点がある。
滅亡への美学。やっぱりこんなのが好きなのか。好きなものは仕方ない。
『ニキータ』を滅亡と観るかどうかは、分かれるところだろうけれども、美しさはそこにしかない。

『エロ事師たち』野坂昭如
『外伝・麻雀放浪記』阿佐田哲也
『天皇・反戦・日本』浅羽通明(鈴木さんから)

【DVD】
『昭和残侠伝 一匹狼』
『麻雀放浪記』
『ニキータ』

そんなこんなで、8月の終わり。今月の集計を出してみた。
今月は、66冊。今年に入っての累計が350冊。
読んだなあ。今月は、読んだ。66冊か。これまでで一番読んだな。
実感としても読んだ。読んでばかりいた気がする。

累計で350冊。残りの4ヶ月で何冊読めるか。
誰かと競争しているわけではない。いや、鈴木さんの動向はちょっと気にかかるか。
鈴木さんは何冊読んでるだろう。
気にかかるけれども、やっぱり自分だけの読書。
競争だろうが、誰かが気にかかろうが、本を読むということは、同じ。
読み始めて、読み終えれば、一冊。
面白かろうがつまらなかろうが、一冊。
歯を食いしばって、一冊。

雷が鳴り始めた。