【11月】《37冊/471冊/335日》●月末に5冊●『三宅雪嶺集』【近代日本思想大系5】『イメージを読む』『午後の曳航』『武満徹―私たちの耳は聞こえているか』『薔薇のイコノロジー』

2008年12月1日 00:06:35

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こんな時期だ。もうこんな時期だ。
公演まで一週間。稽古ばかりしているとここで書き続けている。
まさにその通り。稽古ばかりしている。

そんな今日、
クラモチユキコさんがデザインし、制作した衣装が届いた。

これだけの衣装を一人で作ったのだ。
そう思った。そんなきれいを思った。

クラモチさんの闘い続けた夜に泣きそうになる。
一人で作ったこれだけの衣装がこの作品の全部の理由を無言に語っていた。

『あなたは今、本当に一生懸命にやっていますか?』そう問われた。
『あなたに今、少しの甘えもありませんか?』そう聞かれた。
『ほんとうの本当に心も体も一生懸命ですか?』と。

思想を言葉ではなく、
作品そのもので示す思想家のことを芸術家というのだ。

劇団員全員が受け取ったはずだ。
クラモチさんの一人の夜の戦い。
脳天気に着ることができる衣装じゃない。
浮かれて着れる衣装じゃない。
そりゃそうだ。
これだけの問いを突きつけている衣装だ。
軽い気持ちで着れる筈がない。

答える前に問い続ける衣装。
『あなたは誰ですか?』と。

稽古を終えて帰宅した。
一人の夜を取り戻す。実は、明日を証明する方法を見つけた気がした今日。
稽古場でその方法の端緒を見た。
帰納でも演繹でもない、全く新しい証明法。
その方法がうまくいくならば、明日はある、と言えるはずだ。
明日の証明法。
それを書き綴るには今、時間がなさ過ぎる。
それに第一、今言葉になっていない。

稽古を終えて帰宅した。一人の夜だ。
あの衣装が問い続けた問いを劇団員は今必死に答えようとしているだろう。

一週間前か。
と一応口にしてみた。
さてさて、仕事をするか。これから数時間。いつもの真夜中。

『三宅雪嶺集』【近代日本思想大系5】編集・解説/本山幸彦
『イメージを読む』若桑みどり
『午後の曳航』三島由紀夫
『武満徹―私たちの耳は聞こえているか』武満徹・鶴見俊輔
『薔薇のイコノロジー』若桑みどり

三宅雪嶺・・・
読み始めたはいいけれど、その難解さに何度もやめようと思った一冊。
(なんでこんなに難しく書くんだ!)
腹立ち紛れに会う人会う人に、「三宅雪嶺難しいのですよ」と泣き言を言った。
難しすぎて笑ってしまう。
何人もの人に読んで聞かせて、その難解文章をネタに、笑った。
とはいえ、

驚くほどの精緻。

今、これほどのジャーナリストがいるだろうか。
これだけ覚悟をもったジャーナリストがいるだろうか。
もしかしたら三宅雪嶺をジャーナリスト、とくくると怒る人がいるかもしれない。

哲学者という人もいるだろう。
思想家という人もいるだろう。
哲人と言い切る人もいるだろう。

そのどれもが雪嶺翁だ。
ぼくには、徹底したこれぞジャーナリストと思えた。
覚悟を決めて、時間を作って読んだ。
読む端から忘れていくくらいの、というか、理解が追いつかなかったのだが、
読み終えた。
まったく理解していない気がする。


我観小景
人生の両極
大塊一塵
妙世界建設
明治思想小史
初期政論
小紙庫 政治と人物篇

『三宅雪嶺論』丸山幹治
『三宅雪嶺』大久保利謙

解説/本山幸彦

年譜・参考文献