『七号病室』見沢知廉

2006年2月18日 22:17:00

写真

ちょっと忙しくて、
本を読んでいる場合ではないのですが、
読んでます。
今日も、一冊。
と、ここにあげるのに、
実は、
ちょいと躊躇しました。
理由は、後で。

『七号病室』
見沢知廉

うん、さて、この作家をご存知でしょうか?
ご存知ない方が多い気がします。
ざっと紹介させてください。
1959年東京生まれ。
16歳より、新左翼参加。成田管制塔事件などを闘う。
1980年より、新右翼活動に入り、
1982年火炎瓶焼き討ち事件等に連座。
12年の刑。千葉刑務所に入所。
1994年、出所直前に『天皇ごっこ』で新日本文学賞佳作
出所後、作家活動を開始。
昨年、昨年です。
2005年9月7日逝去。享年46歳。

自分は、この9月7日を良く覚えています。
この、
彼が自殺(言い忘れました、飛び降りです)した日の
自分を取り巻いていた、不穏な空気を、
自分を包み込んでいた、不当な節操を。
そして、
彼の自殺は、ニュースになりませんでした。
どこも取り上げることがありませんでした。

なぜ?
彼は、命を削って書いて、ああ、うん、
確かに、彼は、はっきりと書きましょう。
確かに彼は、
殺人者です。
ひとごろしです。
理由がどうあれ、彼は、殺人者です。
12年の刑を満期勤め上げたとはいえ・・・・

なぜ、TVも新聞も取り上げないのでしょう?

彼は、ああ、やめよう。
自分は、今、泣いています。
涙が溢れて、止まりません。

この、一冊をためらった理由は、それです。
冷静に、紹介することが、
きっときっときっと、困難な状態になると、

ああ、分かっていました。

みさわちれん、と読みます。

見沢さんです。

二枚目でしたよ。
いい男でした。
自分よりもちょっと年上で、
ちょっと、いかれていて、
ちょっと、かっこよくて、
ちょっと、ちょっと、ちょっと、自分より、

ああ、うん。
帯文か・・・・

「夭折の鬼才が獄中で綴った、
『天皇ごっこ』以前の衝撃の傑作。
殺人者と天才精神科医の
息詰まる神経戦」

自分は、彼と、

ああ、うん。
泣くべきだと分かったときには、
笑うべきではない。