『赤ひげ診療譚』山本周五郎

2006年2月19日 21:16:00

写真

さくっと、一冊!

はい、きました、おなじみの一冊。
何度目かなあ?
これ読むの。

手垢のついたこの文庫を手に取ると、
ああ、
好きなんだなあ、
と思う一冊。

さて行きます。

『赤ひげ診療譚』
山本周五郎

四の五の言いません。

赤ひげ先生です!

何も言いません。でも、ちょっと言います。
なぜ、山本周五郎は、これを書いたのか。

ということ。
うん、さて、なんででしょう。
書かずにいられなかった、という心情が
顔をだしているんですね。
その書かずにいられなかった心情ってのは、
言葉には表れません。
山周があがいている、顔が、
出ているんですね。
言葉にならないものを
なぜ、書いたのか。

自分には分かる気がしますが、
言葉に出来ません。

そこで、作中より、一言。

「子供たちは死んでくれました、
うちの人とあたしの二人なら、
邪魔をされずに
いつどこででも死ねますからね、
子供達が死んでくれて、
しんからほっとしました」

気付きましたか?
句点(。)ではなくて
読点(、)なんですよ。

それが、
全ての理由です。