●574●『ロック・ヒューム』【世界の名著27】

2009年8月10日 00:27:42

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どうしてこんなに本を読むんだろう。

こんなに時間が足りていないのに。

舞台の本番まで2週間をきり、仕上げだ、詰めだ、追い込みだ、と
まあ、いろんな言い方はあるだろう、けれども、劇団再生には、そんなことは全然ない。
一ヶ月前も同じように稽古をし、
明日も、本番前日も同じように稽古をし、変わることはない。

仕上げる、とはどういうことだろうか。
詰める、とはどういうことだろうか。
追い込む、とはどういうことだろうか。

演劇と言う芸術に、そんなことが可能だろうか。

時間軸の上で、つい「仕上げだね」とか、「追い込みだ」と言ってしまうことは、ある。
言った後で、
(いや、今のは、作品のことじゃなくて、時期的に、まあ、そんな時期で、つい・・・)
と、心の中で慌てふためく。
それを、「いや、今のは、・・・・」と口に出して解説することは、
なんだかおかしいことだと、自分でも思い、心の中で慌てるだけで、
曲解されないよう、誤解されないよう、祈るだけだ。

裏を返せば、どんな稽古も、いつの稽古も仕上げであり、
追い込みであり、詰めに詰めている。
本番まで2週間か。「時期的に」やるべきことは、確かに多い。

こんなに時間がない。
ないのに、本を読む。帰宅して、頭を冷まし醒ますためにも本を読む。
少し時間がほしい。
熱がひくだけの時間がほしい。

劇団再生、と真夜中、呟いてみる。

ここは、

劇団再生の稽古場だ。

『ロック・ヒューム』【世界の名著27】

(574)
責任編集/大槻春彦

「イギリス古典経験論と近代思想」大槻春彦

ロック

「人間知性論」
「統治論」
「寛容についての書簡」

ヒューム

「人生論」
「原始契約について」

年譜・索引