●2103●『コーラン』【世界の名著15】『ヤマトタケル』『第三帝国の興亡(第4巻)』『ドキュメント現代史(8)レジスタンス』『日本を思ふ』『人間・この劇的なるもの』『われに五月を』

2009年11月8日 02:19:18

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稽古場からバイクに乗り、2分。
いつも赤信号の国道254号線も今日は、青。
ブレーキをかけずに、交差点に突っ込み、思い切り車体を傾け、曲がる。

ニーチェだ。

ふかい真夜中は何を語るか
わたしは眠った
世界は深い、昼の考えたよりもさらに深いのだ
世界の嘆きは深い
嘆きはいう
滅びゆけ! と

ニーチェの一節が夜の交差点に聞こえた。

滅びの道を知ったのは、いつだろう。
今は、常態としてあるその感覚を常態としたのは、いつだっただろう。
演劇は、稽古場で創られる。
観客は、その作品を観に来る。
それ以外の事実も真実も方法もない。それを知ったのは、確かに劇団再生だ。

ふかい真夜中は何を語るか
わたしは眠った
世界は深い、昼の考えたよりもさらに深いのだ
世界の嘆きは深い
嘆きはいう
滅びゆけ! と

金を払って劇団再生を観てくれ。
そして、批判してくれ、唾棄してくれ、二度と観るかと言ってくれ。
自分たちに甘えない。同時に観客も甘やかさない。
劇団再生の稽古場で、稽古をし、稽古こそが、

或は、常態かもしれない。
ならば、

と、思考が勝手に飛躍する。
夜の深い嘆きの語るそれは、劇団再生の稽古場のことかもしれない。

そうじゃないかもしれない。
夜の交差点を急ハンドルで曲がると、もう家だ。
そっと、一人でニーチェを口ずさむ。

ニーチェの「世界」を「演劇」と言い換えてみる。

『コーラン』【世界の名著15】

(566)

『ヤマトタケル』鈴木邦男

(174)

『第三帝国の興亡(第4巻)』ウィリアム・L.シャイラー

(343)

『ドキュメント現代史(8)レジスタンス』海原峻編

(344)

『日本を思ふ』福田恒存

(396)

『人間・この劇的なるもの』福田恒存

(153)

『われに五月を』寺山修司

(127)

一節ずつコーランを拾い、
寺山さんの歌を口ずさみ、
福田演劇論に感心し、
レジスタンスといえばフランスだと喜び勇み、
ヒトラーの影を追い、

また今日も全集一巻を読み終え、
枕元には、数冊のヒトラーが控え、
鞄の中に明治の思想が「民権自由明六雑誌」と居座り、

夜の交差点をギアも落とさずブレーキもかけず曲がりきり、
ニーチェの数行を転がしながら、

本を読む。

『コーラン』【世界の名著15】

(566)
責任編集/藤本勝次

「コーランとイスラム思想」藤本勝次

コーラン
・メッカ啓示
・メディナ啓示
藤本勝次・伴康哉・池田修 訳

年譜
索引