コトバという名前の梟。言葉という名前の地獄。言葉という名前の空

2010年1月8日 23:28:10

写真

ガスファンヒータをつけると、
その吹き出し口にコトバが飛んでくる。
勢い余って着地に失敗すると、ファンヒータにぶつかる。
よくぶつかっている。

噴出す暖かい風に羽をふくらませて、いつまでもいつまでもそこで遊ぶ。

脚本を書きながら、
本を読みながら、

一通のメールをためらいながら、歌を詠む。

脚本を書きながら、
本を読みながら、

一通の手紙を、戻ってくることがわかっていながら、書く。

言葉、言葉、言葉、言葉に溺れながら、
見えるのは、言葉の死骸だけだ。空に浮かぶ言葉の死骸だけだ。

コトバは、今もファンヒータの前。
羽を広げ、風を受け。