コトバがやってくる。机の上にやってくる。遊ぼうよとやってくる。

2010年2月21日 22:25:06

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音楽の仕事をしたりすることもある。
ピアノを弾いたり、作曲をしたり、アレンジをしたり、
こうして楽譜を作ったり、歌指導をしたり、そんな
音楽の仕事をしたりすることもある。

小さなキーボードで音を確認しながら、楽譜を書いていく。
頭の中にはオーケストラが鳴り響く。
何十人もの合唱が聞こえている。
その一つ一つの音を小さなキーボードで確認しながら、
五線譜の上に重ねていく。

楽譜は、台本だ。

この譜面を元に、歌い手は歌い、演奏者は演奏する。
この楽譜どおりに、まずは演奏し、歌う。
彼らが、その人生をこの音楽の上に表現するようになるのは、その先だ。
まずは、楽譜どおりに演奏できるようにする。
当たり前だ。当たり前のことだ。
楽譜どおりに演奏できなくて、自分の表現が出来るわけがない。

まずはこの楽譜どおりに歌え!
まずはこの楽譜どおりに演奏しろ!
それができるようになって、「表現」を聞いてやる!
楽譜どおりに演奏できるまでは、がたがた言うな。
楽譜どおりにできるまでは、聞かせないでくれ。
失礼ってもんだ。
人の時間をそんなことで奪うのは暴力だ。

さあ、これが楽譜だ。
この通りに演奏してください。
それができてから、芸術論でも演奏論でも表現論でも闘わせよう。
それは、素晴らしい時間だ。
そこからが、「音楽」だ。

楽譜は、一本の台本とやっぱり同じだ。
こうして音楽の仕事をしたりすることもある。

小さなキーボードでこつこつと記譜していると、
コトバが「何?」とやってきた。

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