『ファイナンシャル フォーラム』巨大な本を感じながら

2010年4月29日 00:31:13

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本を読むことが好きでたくさんの本を読んできた。
興味の趣くまま本を手に取り読んできた。
20代は、今思うと戦闘的な動機で本を読んでいた。
武装のための読書。年間300冊のノルマ。
30代に入り、そんな読書に疲れ、好きな本を読もうと決めた。
そうしたら、読む本が偏り、何より読む数がぐっと減った。
30代後半に差し掛かり、これじゃいかんと自身に鞭をいれた。

ちょうどそんな時期だった。
書評を書きませんか、とお話をいただいた。

それから数年。こうして書かせていただいている。
書店に足を運び、隅から隅まで書棚を見てまわる。
今、どんな本が話題だろうか。どんな分野が新鮮だろうか。
出版界の大きな感情はどこを向いているだろうか。
各書店の力点はどこにあるだろうか。
端から見ていけば、だいたいそんな事ごとがつかめていく。
それが、書評を書くこととどんな関係があるんだ、と問われれば、答えに窮す。
ただ、巨大な本、を感じていなければ、本に関することは絶対に書くことはできない。
そう思っている。

毎月必ず日を空ける。丸々一日を書店を歩くことに費やす。

朝早く起き、コンビニからスタートだ。
数件のコンビニを見てまわる。
コンビには、案外と巨大な本の触覚の役割を果たしていたりする。

そして、朝9時から開店している自宅近所のチェーン店。
本の配置は完全に把握している。そりゃそうだ。もう20年以上もお世話になっている。
電車で新宿に移動する。10時開店の紀伊国屋だ。
最上階から見て降りてくる。お昼だ。近くのカレー屋さんなんかで満たし、また戻る。
ぶらぶらと見てまわる。見終えると、また電車で池袋へ。
ジュンク堂を上から見て降りてくる。この時間になるとへとへとだ。
足がだるくて仕方ない。朝っぱらからの書店に周りで、情報量も膨大になっている。
ジュンク堂を見たら、西武のリブロ。その次は、東武の旭屋書店。
閉店間近。毎月一度は、こんな書店めぐり。12時間書店を歩き回る。

そんなことが書評を書くことに役に立つのか、と。
巨大な本を感じていなければ、何も書くことはできない、とやっぱり感じる。

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本誌は、京都銀行本店各支店や「京都館」「京都館」(写真をクリック)で入手できます。

そうしてよちよちと書いてきた。
担当の方に今も丁寧に指導していただき一本を仕上げていく。
よちよちと勉強しながら、800字。

一冊の本と出合うために足を棒にし、800字を書くためにそのための真夜中を作る。
一冊の本を読むために何年も予習し、800字を書くためにそのための助走をする。

京都館

先日の雨、所用で出かけて帰り道、途中下車。
京都館に立ち寄った。
雨に煙る駅前の巨大な交差点。その向こうに見えるいつもの京都館。
肌寒い東京のど真ん中で、静かに桜が佇んでいた。



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