『ユング・フロム』【世界の名著続14】・『ヤスパース・マルセル』【世界の名著続13】『ブルースカイ』『フォイエルバッハ論』『公安警察スパイ養成所』『お笑い公安調査庁』『公安警察の謀略を斬る さらば桜よ』

2011年4月24日 21:55:37

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年間500冊を読む、というのは、なかなか大変だ。500冊の大台。
読書だけを生活の主とできるなら、1000冊を体験してみたい。いつか、1000冊。
昨年は490冊。500冊にちょっと届かず、今年のノルマは400冊だけど、密かに500冊を目指している。
500冊というと、月に40冊以上だ。1月2月3月は、30冊後半。それで400冊はいく。
月に30数冊は、案外楽なカウントだ。無理に早起きして読まなくても、そのくらいは読める。

そして、もう一つのノルマ。『世界の名著』読破。今年のスタート時点で、残巻数40数巻。
月に4巻以上が目標だ。1月2月3月とそれはこなしてきた。今月もこれで6巻。
読書ノルマ、400冊に『世界の名著』読破。ノルマを決めたからには、達成するだろう。

『ユング・フロム』【世界の名著続14】
『ヤスパース・マルセル』【世界の名著続13】
『ブルースカイ』桜庭一樹
『フォイエルバッハ論』フリードリッヒ エンゲルス
『公安警察スパイ養成所』島袋修
『お笑い公安調査庁』吉見太郎
『公安警察の謀略を斬る さらば桜よ』島袋修

『世界の名著』を読破したら、何を感じるだろう。全81巻の世界。
歴史の成り立ち、人類の足跡、思考の深化、思索の複雑化から単一概念への発展。
全81巻にそれらが描かれている。読めば読むほどその広大無限の荒野に立ち竦んでしまう。
それを読み終えたら、来年から『人類の知的遺産』に挑戦だ。そして、
『高橋和己全集』も『三島由紀夫全集』も『日本の名著』も『世界文学全集』も全部読みたい。
世界が欲しい。歴史を含めた世界全部をこの手にいれたい。全ての知恵を知識をわかりたい。

世界を知ったからと言って、なにがどうなる、というものでもないだろう。
ぼくの生活は相変わらず、独り本を読み、独り恥を忍び食事をし、何某かの金を稼ぎ、
好きな歌を歌い、夜ごとコトバと対話をし、衝動的に演劇に触れ、大きな変化の中に脚本を書き、
世界を知ったからと言って、何がどうなる、というものでもない。
今と、何も、変わりはしないだろう。学者になるわけでもない。研究者に変身するわけでもない。

ただ、

けれども、世界がほしい。高く、高く、飛びたい。その衝動を抑えきれない。
年間500冊という読書は、相当数のインプットだろう。それを建設的なアプトプットに、
繋げられれば、と考えたことも、ある。案外具体的に、戦略的に考えたことも、ある。
でも、虚しくなった。アウトプット、それは、換金性につながる。
換金性を何かの下に置くわけでは、決してない。時間を単一的に切り売りするよりは、
もしかしたら、満足を得られるのかもしれない。でも、虚しい。寂しい。

そうだ。完全なリンクを望んでいるのかもしれない。
そのリンクをアウトプットという手段でぼく以外の他者に触れさせることが我慢ならない、
のかもしれない。と、考えればいくらでも理由付けはできそうだ。
単に、

負けず嫌いなだけかもしれない。世界を相手にしていて、世界に負けたくないだけかもしれない。
他者に、読書をすすめることはなくなったが、読書は素晴らしい、と断言できる。
その素晴らしさを押しつけがましく他者にすすめていたのは、大きなお世話だったんだろうな、
と思う。ぼくにはぼくの価値があり、他者には他者の価値がある。それだけのことだ。
一切の言葉を尽くして、ぼくは、他者の読書への欲求に対して、知らん顔をする。
鈴木さんは、本を読まないのはネコだ。ネコ以下だ。公言する。なるほど、大きな優しさだ。
ネコ、か。さすが鈴木さんだ。ようやく鈴木さんの優しさを理解した。ぼくなら、
と、いつも感じる。どう言うかな。本を読まない人は、

あまりにも、あまりにで、公言、できない。言ったら、終わりだ。
何が終わるのか。そりゃ、わかりきったこと。錯覚の関係世界が崩壊する。まあ、ただ、
それだけだが。

それにしても、本を読むことによって、大きな変化をしていく人を目の当たりにしているのも、
また、事実だ。鈴木さんや、ぼくの「ノルマ読書」に感化されたのか、或いは、
全く別の理由か、それはわからないけれども、「本の話、読書の話」を交わす。
どんどん変化していくその速度にその人はついていけてはいないが、いずれ、
読書と自身の変化の速度がぴったりと出会うことがあるだろう。それは、断言できる。
経験済みだ。本を読むということ、その概念を、随分長く考え続けていた。
その都度、答えを提出してきた。今も、今なりに、その答えを言うことができる。

退屈だ。

退屈で仕方ない。時間は確かに足らない。全く足らない。目の前には引き受けた仕事が山積み。
何から手を付けたらいいのかわからないくらいだ。でも、退屈だ。笑うほど、退屈だ。

読書が退屈を紛らわせるか、というと、そんなこともない。
読書は、ただ、単に読書、というだけで、ぼくの精神活動に対しては、驚くほどに非力だ。

退屈を突破する(現時点において)唯一の方法もある。あるが、相当数のエネルギー質量を使う。
生命活動が維持できるかどうか、そんなギリギリの場所での、方法だ。
それにしても、

退屈は、喜劇名詞か、悲劇名詞か。

『ユング・フロム』【世界の名著続14】


責任編集/懸田克躬

ユング


「心理学的類型」吉村博次 訳

フロム


「正気の社会」加藤正明・佐瀬隆夫 訳

『ヤスパース・マルセル』【世界の名著続13】


責任編集/山本信

ヤスパース


「哲学」小倉志祥・林田新二・渡辺二郎 訳

マルセル


「存在と所有」山本信 訳