『ガリレオ』【世界の名著21】・『日本警察 腐敗の構造』『ポスト学生運動史』『警備公安警察の素顔』『告発! 検察「裏ガネ作り」』

2011年5月1日 23:26:17

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一日、本を読む。計画的に本を読む。昨夜から時間を決めていた。
朝起きて、読書の準備をする。洗顔・コーヒー・着替え・朝食・餌やりを済ませ、
決めた時間を待つ。待っている間は、メールチェック。返信と転送を済ませる。

決めたのは、午前中に2冊、午後2冊。読みかけの『世界の名著』を読み終える。
時間だ。机につき、正座。姿勢を正し、読書をすすめる。読書の姿勢だが、経験的に、

正座がいい。

寝転がっては楽だけど、集中できていない。
胡坐は、腰や肩に負担が大きい。おまけになぜか眠くなる。
背中を何かにもたれかけて、というのもダメだ。首に負担がある。
なんだかんだと試した結果、正座に落ち着いた。
正座をして読書をしていると、足の感覚や体の感覚でなんとなく経過時間を把握できる。
何時間もぶっ通しで読むわけではない。休憩をはさむ。
大体、1時間くらい読んだら、10分、目を休める。
市販されている「あったかくて、いい匂いがする」アイマスクをして目を休める。
携帯で10分のタイマーをかけて、アイマスクのしたで目を閉じる。

今日は、1日読書。5冊の予定。予定した本は机の上。
夕方から出かける予定があった。だから、それまでが読書の時間だ。
予定通りに読み終えて、渋谷に向かった。

『ガリレオ』【世界の名著21】
『日本警察 腐敗の構造』小林道雄
『ポスト学生運動史』中川文人
『警備公安警察の素顔』大野達三
『告発! 検察「裏ガネ作り」』三井環

友人のライブがあった。主催ライブだ。一緒に舞台音楽を作ってきた友人。
20年前と何も変わっていない友人。
年齢も40近いはずだが、20代の頃と変わっていない。
驚くべき『ろくでなし』だが、生き残っている数少ない友人だ。

数少ない、友人。当時の『ろくでなし』どもは、みんなどこかへ行った。
何度もパクられたり、地下へ地下へと潜って行ったり、死んでしまったり、
行方知れずになったり、発狂したり、人や社会を傷つけたり、と、
みんな、どこかへ行ってしまった。

たった20年じゃないか。
渋谷を、新宿を、下北を、歌いながら闊歩した彼らはみんないなくなった。

目を真っ赤に充血させて作曲し録音した日々を思い出す。バイト先も一緒だった。
なんか知らんが、年中一緒にいた。「このまま大人になるのか?」と笑いあった。
二人とも中二病的に否定できずに20年が経った。あの頃と何も変わっていない。

そういえば、ぼくのことを「高木君」と呼ぶ、ほぼ唯一だろう人間だ。
初めての出会いは、『現場』だった。高層ビルのガラス清掃のバイト。その現場。
まだバブルの余波があったのか、日給も良かった。ガラス清掃の会社は何社か渡り歩いた。
その一社に彼がいた。ぼくが入社して数日。ある現場に行った。ビルの控室。
着替えて準備をしていると、彼が入ってきた。ぼくは入社したばかり。後輩だ。
挨拶をした。彼は、へらへら笑いながら、

「なんかないっすか?」

と、どうとでもとれるがわかる人にしかわからないような一言。

「ありますよ」

と、答えた。

それが、始まりだ。
渋谷の地下クラブ。彼は、楽しそうにギターを弾いていた。
本当に楽しそうに、楽しそうに。「元気を与える」という観念があるが、
それは、案外本当だな、と思った。大音量の中、リズムに身を任せる。
メロディが体を抜ける。体中の細胞が喜んでいた。そうだ、こんな音の中で育ったんだ。
こんな大音量の中でぼくは音楽をこの身に叩き込んだんだ。

ライブが終わり、次にいつ会えるのかわからないが、

「じゃねー」という彼の声を聴きながら、階段を上った。

『ガリレオ』【世界の名著21】


責任編集/豊田利幸

ガリレオ


「レ・メカニケ」豊田利幸 訳
「偽金鑑識官」山田慶児・谷泰 訳