『バトルランナー』『影の軍団』『侠気の相場師・マムシの本忠』『都市革命』『青少年のための自殺学入門』

2012年9月30日 22:22:55



本だ、読書だ、言葉だ、読め読め。

そうしてここ何十年もページをめくって来た。
何ページ、めくってきたのか。その動作をどれだけ繰り返してきたのか。
読書ノルマを自分に課して読書を続けているわけだが、そのノルマ設定もいろいろ試した。
なかに、ページノルマを設定した年もあった。
冊数で数えるより、ノルマとしては正確だろうと、そうした年があった。
月に10000ページ。年間12万ページ。冊数にすると、大体400冊くらいだろうか。達成した。
その年は、少なくとも、6万回は、ページをめくったわけだ。
そうして数えてみると、これまでにもう100万回はページをめくっただろう。
100万回生きた猫だ。100万回生きたぼくだ。100万回生れたぼくだ。
今年ももちろんノルマを設定している。月に30冊以上。年間400冊以上。目標は、500冊。

本だ、読書だ、言葉だ、喰え!

今年のこれまでの実績は、

1月・・・39冊
2月・・・43冊
3月・・・34冊
4月・・・39冊
5月・・・35冊
6月・・・40冊
7月・・・26冊
8月・・・50冊
9月・・・37冊

7月がちょっと弱いが、前後の月で頑張ったから、いいだろう。
これまでの合計が、343冊。
ノルマ達成まで、57冊。目標までは、157冊。
残りは、3か月。ノルマは、達成できるだろう。目標の500冊は、どうか。ちょっと難しいか。
本が好きで、小さな頃からたくさん読んできた。
小学生の低学年、ルパンとホームズに夢中になった。
高学年、江戸川乱歩に背徳的な興味をひかれ、ドストエフスキーに出会った。
中学生、太宰だの三島だの安部だの鴎外だの、日本にはまった。
高校生、埴谷雄高、ソクラテス、プラトン、そして再びドストエフスキー。
高校生までで、新潮文庫・角川文庫の棚は全部読んだ。
上京し、思想に出会った。野村さんに出会った。日本に出会った。むさぼるように読んだ。
新宿紀伊国屋書店が憎かった。あれほどの蔵書を有するその建物を憎んだ。

あれだけの本を有しながら、お前はそれを有効に利用できないじゃないか。
本は、それを真に求める人の手に分配されるべきだ。それが、正義だ。それは、善だ。

奪って、殺して・・・

そう、ラスコーリニコフの論理そのまま。
知は、それを必要とする未来ある若者の手になければならない・・・
ぼくは、紀伊国屋書店を憎んだ。
アルバイトをしても、書籍に使えるお金は限られている。
20代前半、月に2万円がせいぜいだった。書店が憎かった。そんな時期もあった。
本を所有することが、好きな本を好きなだけ所有することが夢だった。

鬱々と過ごしていた20代、真夜中、ぼくは、理想の部屋を何枚も何枚もスケッチした。
空までそびえる本棚。何十万冊の、ぼくが選んだ本が並ぶ。
壁は、正八角形だ。その全ての壁が本棚。空までそびえる本棚だ。
正八角形の本棚の前面には、効率的にレールが走っている。
ぼくは椅子に座り、手元の入力装置に本のタイトルを入力する。
椅子は、レールの上を滑りあがり、その本のところまで移動していく。

そんな部屋を何枚もスケッチした。
いつか、そんな部屋で暮らしたいと。

今はどうか。所有欲、というものは、ほとんどなくなっている。変わるもんだなあ、と自分でも思う。
手元に残している本は、3000冊あるかないかくらいだろう。
ここ数年で随分整理してきた。ブックオフに売った本もあるし、友人知人に差し上げたりもした。
読む本が数冊あれば、事足りる。読み終えた本は、もういらん、と思い、整理するのだが、
やっぱり資料として必要な本はあるし、読み直したと思う本もある。
整理しきれない本が、3000冊くらいか。
それらもいずれどうにかしたいとは思っているが。

本だ、読書だ、言葉だと、泣きながら本を読んできた。
もう読みたくない。もう疲れた。もういい。本、嫌い。そう思いながらも読んできた。
そう思いながら、なんでこうして読んでんだろうな、と思うが、一種の防衛本能なんだろう。
欲求。

今日も一冊読み終え、次は何を読もうか、台風の真夜中。

『バトルランナー』スティーヴン キング
『影の軍団』門田 泰明
『侠気の相場師・マムシの本忠』鍋島高明
『都市革命』アンリ・ルフェーヴル
『青少年のための自殺学入門』寺山 修司