『トマス・アクィナス』【人類の知的遺産20】・『特等添乗員αの難事件III』『かめ探偵K』『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』『人間の証明』『もの思う葦』『他人の顔』『わが妹人生―1917年夏』『物語』

2013年3月13日 22:00:49

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毎日、言葉まみれ。
読んだり、書いたり、直したり、考えたり、吐き出したり、応酬したり、無視したり。
言葉カウンタとかないかね。一日、どれだけの文字をそうしているのかカウントしてみたい。
実は、読書の時間が取れないで困っている。一日3時間から4時間は確保しようとしているのだが。
どうにもその時間が取れない。外に出る用事も多く、そして家にいなければ進まない仕事も多い。
5月作品のチラシが出来てきて、半ば脅迫的に時間が進む。脚本を書かなければならないのだ。
と、言いつつ、脚本なんかなくてもこの作品は「きっちりと仕上がる」んだ。その自信が、ある。
7月と9月は読書劇だから、脚本としてまとめてくるだろうが、来年は脚本のない作品でも作ろうか。
エチュードや即興ではない。あくまでもきちんと言葉と時間が決められた作品だ。
脚本は、ない。ぼくが、そこにいる、という一つの言葉が、唯一の脚本となる作品。
そんなの簡単だ。出演する俳優は最初戸惑うだろうが、慣れればとてもやりやすい作品となる。

制作部では、7月の作品に頭がいき始めているらしい。
制作会議で確認したスケジュールでは、
どうやら5月作品の稽古中に、7月の脚本にとりかからなければならないらしい。
読書劇を12本発表したら、毎月劇場に乗せてみるのもいいかもしれない。
それにしても、5月作品の脚本が進まない。登場人物は先に進みたがるのだが、なぜか。
どうやら、ぼく自身が先に進みたくないらしい。数十年前の思い出に浸っていたいのかもしれない。
それはそれで決して悪いことではないだろうが、実務的には困ったものだ。
タイトルは、『暗室の窃視者』。実話だ。ぼくの13歳、ぼくの部屋。
そう。書きたい部屋がたくさんある。8歳のぼくの部屋もある種の淫靡をたたえ、今、言葉を持つ。
17歳のぼくの部屋の背徳とインモラル。それは、今ようやく言葉という傷になる。
「窃視者シリーズ」或いは、「暗室シリーズ」は、ちょっと興味がある。続けてみたい。

5月作品のチラシができてきた。
スキャンして、ここに掲載することはもちろん可能だが、画像では面白くもなんともない。
手に取ってみて初めてそのデザインを分かってもらえる。

毎日、言葉まみれだ。
望んでここに来てはみたが、使い古されたどうでもいい言葉に囲まれると、喧嘩したくなる。
世界をぶっ飛ばしたくなる。16連打で破壊したくなる。
新しい言葉に価値があると言っているのではない。あなたの言葉に触れたいんだ。

言葉に囲まれながら、その大半の言葉を斬って捨てる。
邪魔をするな、俺の邪魔をするな。近寄るな。ここに来るな。顔も見たくないんだ、と。
ヘッドホンを装着し、大音量で音楽を聴きながら、書く。秒針が不快だ。
きっとあと数日もすれば、また時計の電池を抜いてしまうだろう。
モニタには、『太陽がいっぱい』。音楽は、今、中島みゆき。コトバは、寝ている。
俳優に、この脚本を読んでほしいと思わない。この脚本を聴いてほしい、と思っている。
きっとみんな誰もが13歳の頃に経験した出来事のはずだ。それを聴いてほしい。

言葉まみれで世界の果てまで流されて、ブリキの太鼓を叩きつつ、
撃てばかげろう、明日はない。
他人の顔を借り出して、その気になって、覗き穴。

『トマス・アクィナス』【人類の知的遺産20】
『特等添乗員αの難事件III』松岡 圭祐
『かめ探偵K』北野 勇作
『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』太田 紫織
『人間の証明』森村 誠一
『もの思う葦』太宰 治
『他人の顔』安部 公房
『わが妹人生―1917年夏』ボリス・パステルナーク
『物語』ボリス・パステルナーク