二月二六日の夜

2015年2月26日 23:42:23

どこを掘っても夜が出てくる

宮脇俊三氏の命日
小学生の頃、氏の「時刻表二万キロ」を読み、心浮かれた
何度も何度も読み返し、実際に氏と同じ道を歩んでみた
その本の通りに電車に乗って、氏と同じ景色を見た

二月二六日の夜、今から79年前にもこの日があったのだ

世界というこの孤児の中でぼくは何て偶然、どのみち異邦人

大藪晴彦氏の命日
多くの作品に心をえぐられた
深い胸にナイフで傷をつけていくようなざらついた言葉の数々

どこを掘っても夜が出てくる

天才に憧れた
才能を望んだ

何もかもを引き換えにしてでもそれを手にしたいと思った
全ての夜を引き渡してでも天才をほしいと思った
ぼくにこの先二度と夜が訪れないとしても

容赦ない夜

マルクスが資本論序文の最後に宣言しているではないか

汝の道をゆけ、
そして
人にはその言うにまかせよ!