『生麦事件』吉村昭

2007年4月20日 22:22:06

写真

生麦事件・・・

学校の授業で習った方が多いでしょう。
有名な、歴史を変えた事件です。

訳あって、引っ張り出してきて、読みました。

先日発売された『月刊TIMES』(月刊タイムス社)に
鈴木邦男さんが連載を持たれています。
昨日紹介した「腹腹時計と狼」の鈴木さんです。
『三島由紀夫と野村秋介の軌跡』
今月号で第29回目の連載です。

記事中に、高木を取り上げて書いて下さっています。
その記事の中で・・・
吉村昭に関して、以前鈴木さんと話した時、
「吉村昭はほとんど読んでますよ」と高木が豪語!
まあ、かなり読んではいると思っていたのですが、
それがこうやって記事になると、
ちょっと不安になり、調べてみました。

吉村昭さんの全著作は、あれやこれやで300を超えています。
現在入手が困難なものがかなり含まれます。

さて、前述のように豪語した高木は、何冊を読んでいたか。
数えてみました。

120冊くらいでした・・・
豪語撤回・・・

とはいえ、読んでいるほうだとは思いますが・・・
残りの180冊近くですが、
現在では、ほとんど入手困難です。
高木が読んだ120冊もなかなか貴重な本が含まれています。
実家にいる頃にたくさん読んだ気がします。

ということを1日かけて調べており、
思い立って、取り出したのが、

『生麦事件』
吉村昭

「文久2(1862)年9月14日、
横浜郊外の生麦村でその事件は起こった。
薩摩藩主島津久光の大名行列に騎馬のイギリス人四人が遭遇し、
このうち一名を薩摩藩士が斬殺したのである。
イギリス、幕府、薩摩藩三者の思惑が複雑に絡む賠償交渉は難航を窮めた──。
幕末に起きた前代未聞の事件を軸に、
明治維新に至る激動の六年を、
追随を許さぬ圧倒的なダイナミズムで描いた歴史小説の最高峰。」

さすが吉村!という一冊です。
例えば司馬のようなロマンティシズムは、あえて排除し、
例えば宮城谷のようなセンチメンタリズムは一文目から無視し、
吉村昭らしい、正確で冷徹な筆致で物語が進みます。

正確であるが故の悲しみ。
精緻であるが故の孤独。

吉村昭に関して、鈴木邦男さんも独自の解釈を
『月刊TIMES』で展開されています。
必読です!

が、『月刊TIMES』が・・・入手困難・・・