『国家の思想』【戦後日本思想大系5】編集・解説_吉本隆明

2007年10月23日 22:04:03

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これが目的と目標をもって読んでいるシリーズです。
これだけを読んでいたいのですが、
なかなかそうもいかず、
しかし、読書の大半の時間は本シリーズにあてています。

鈴木邦男さんは、
「5巻あたりまで読んだら、
よし!全部読んでやろう、という気になります」と。

当初より、全巻読破する気なのですが、
5巻を終えると、鈴木さんがおっしゃったように、
先が見えてきた感じがします。

『国家の思想』【戦後日本思想大系5】
編集・解説_吉本隆明

戦後思想・人権・平和・ニヒリズムときて、
国家です。

いつかの誰かのために
(今後の自分のためでもあるのですが)
目次を残しておきます。

編集・吉本隆明
解説・国家について・吉本隆明

【法的国家論】
「族長法と王法」石母田正
「古典における罪と制裁」井上光貞
「天津罪国津罪再論」石尾芳久

【政治的国家論】
「天皇制」藤田省三
「『天皇制に関する理論的諸問題』より」神山茂夫
「日本国家論」志賀義雄
「個人意思・階級意思・国家意思の区別と関連」三浦つとむ
「マルクス主義と国家の問題」津田道夫
「大衆国家の成立とその問題性」松下圭一
「『天皇制ファシズム論』より」中村菊男
「武装せる天皇制」林房雄

【思想的国家論】
「戦争責任と天皇の退位」大山郁夫
「日本の皇室」津田左右吉
「天皇の戦争責任」村上兵衛
「大東亜戦争の思想史的意味」上山春平

【文化的国家論】
「乃木伝説の思想」橋川文三
「私のアンソロジー」鶴見俊輔
「祖国について」石原慎太郎
「文化防衛論」三島由紀夫

概略すると、記紀から天皇論への展開、
ファシズムとマルキシズムを下敷きにした天皇論に進み、
大東亜戦争における天皇の戦争責任あたりで落ち着き、
最後に日本の文化論。
乃木大将論から「菊と刀」を取り巻く
祖国文化論、という感じです。

さて、
神山理論は確かに隙がなく、
反証の余地がないのだけれども、
何故かいらついたり、

歴代天皇を比較して武装的天皇を論じ上げている
林論文も付け入る隙がないのだけれども、
何故かいらついたり、

時代的論調なのだろうか。

マルクスの影が強く、
革命に走ろうとする理論武装の親玉たちな訳で
それはそれは、高いところからの論文。
全てがそうではないのだけれども、

戦争で辛酸を嘗め尽くした論理とは、何故か思えない。
高いところから、
まるでテレビジョンの中の戦争を見ながら、
あたかも自分のことのように論じている感が最後まで付きまとった。

いや、素晴らしい論文なんですよ!
それは、もう本当に自分には太刀打ちできない理論の鎧。

でも、ね・・・
なんか、さ・・・

って、どうしても感じてしまった第五巻でした。