『陽気なギャングが地球を回す』著/伊坂幸太郎

2007年12月31日 00:39:05

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机の上には、ずしりと重量のある何冊もの本が積んである。
時間を作って読もうと楽しみにしている本。
『愛国者の座標軸』著・鈴木邦男
『北一輝著作集』著・北一輝
『謎解き「死霊」論』著・川西政明
そして、『現代日本思想大系』

先日、新しいパソコンがやってきた。
メーカメイクのメイド・イン・ジャパン。
小さくて軽いノート。
赤いボディに堅牢性を兼ね備えたやつ。
vistaを始めて使う。

これまでのマシンは、ファンの音が異常になり、
立ち上がりに不安満載となり、
作業中に気絶することしきりで、
外出先での作業も多く、
電車・バイク・車での振動にダメージを受けつつ、
そろそろやばいなあ、と。

さて、新しいパソコン。
ごそごそと設定の移行作業を行う。
vistaには、移行ツールがついているのだけれども、
なかなか冗長なシステムでめんどくさくなり、
全て手動でやっていく。
メールからインターネット、FTP。
まずはインターネット関係。

これまで使用してきた数台のパソコンは、
興味の対象から、
高速化、軽量化、安定化を求め、
いじり倒し、不安定化を突き進んできた。
そのため、練馬でも有数のバックアップおたくになれた。

その労力と時間を思い返せば、
何冊の本が読めたんだと笑ってしまう。
けれども、いじり倒し、壊しまくったおかげで、
どんなトラブルにもへっちゃらにはなった。
なったけれども、障害復旧の時間といったら・・・

なので、
このマシンは、なるべくデフォルトで使おう、と
心に決める。

『陽気なギャングが地球を回す』
著/伊坂幸太郎

いつもいく書店。
魔が差して手にとってしまった本・・・
読む前から駄目なのはわかっていた。
それは、ページを開く前からわかっていた。
魔が差してしまった。

黄色とか赤とかのキャッチな色に弱く、
それに、ギャングとか冒険とか伝説の、とかのキャッチに弱く、
この本も・・・
以前から目にはついていたんだよな・・・

4分の1くらいで全体が全てわかり、
半分読んだら、
(早く終わんないかなあ)と思い始め、
(でももしかしたらこれから凄いかも)と自身を応援し、
4分の3進んだところで、
とにかく終われそうなことにうれしくなり、
全部読み終えて、苦笑。

売れてるらしいんだよね、これ。
シリーズになってるらしいし、
帯に全国ロードショーとか書いてあるから、
映画にもなるかなったかしてるらしい。
今のマスコミならこんなのしか映画にできないでしょう。
マスコミ映画だ。

「おまえ」という人称がぴたっとくる小説が日本にあるだろうか。
「おまえ」という呼びかけの美学に耐えうる小説があるか。
饒舌を文学に昇華できたのは、夏目漱石以来いないじゃないか。
遊びで文学とつきあっちゃいけないんだよね。

ばちがあたるよ、きっと。

とはいえ、
興味を持ってしまった紹介文。
「嘘を見抜く名人、天才スリ、演説の達人、
精確な体内時計を持つ女。
この四人の天才たちは百発百中の銀行強盗だった……はずが、
思わぬ誤算が。
せっかくの「売上」を、逃走中に、
あろうことか同じく逃走中の現金輸送車襲撃犯に横取りされたのだ!
奪還に動くや、仲間の息子に不穏な影が迫り、
そして死体も出現。
映画化で話題のハイテンポな都会派サスペンス! 」

さあ、パソコンのセッティングに戻ろう。

目の前には愉悦の書物群。
目の前には読書という地獄と快楽。