『ジャーナリズムの思想』【現代日本思想大系12】編集・解説/鶴見俊輔

2008年4月8日 23:39:19

写真

稽古場にカメラが入った。
いろいろな事があり、映画監督やカメラマンや制作の方々が、
稽古場に来られ、

カメラを回された。
アップの風景から稽古まで、
大きなカメラは、フィルムを回していた。

そのフィルムには、どんな絵が記録されたのだろうか。
監督と話した。
映画におけるズームアップと
演劇における観客への喚起力。
映画と演劇という表現方法の違いを楽しく話す。

監督の目には、どんな絵が描かれているのだろうか。
楽しみだ。どんな作品に仕上がるのか。
穏やかに静かに語られる監督の目は、
芸術という時間を戦い抜けて来た自信があった。

演劇にしかできない表現。

演劇にしか描けない一枚の絵。

演劇にしか喚起させることができない空気。

演劇にしか許されていない宇宙。

演劇でしか背負うことができない宇宙。

星だ。

ほら、俳優の背後に無数の星だ。

宇宙に一人立つ、一人の俳優。

星だ。

『ジャーナリズムの思想』【現代日本思想大系12】
編集・解説/鶴見俊輔

ジャーナリズムの思想です。
どんなんだろう?と、興味しんしんで読み始めました。
ジャーナリズムの定義から、
ジャーナル、という言葉の本来的な意味。
そして、そのジャーナルが発展していく中での人間。
日本におけるジャーナルの成長過程。
西洋との文化比較。
中央と地方の意義の違い。

と、全体はそんな感じの論調です。

ジャーナリズム、ジャーナル、ジャーナリスト。
その3点の動きです。

新聞がメインになっていますが、
ラジオ、映画、まで言及されています。
時代的にテレビはまだの感じ。
続編が出れば、当然テレビに多くのページが割かれるでしょう。

で、特筆はの同時代批判。
このいくつかの論文は、必読です。
正確で精緻な批判は、時代を超えるもんだなあ、と感心。


解説「ジャーナリズムの思想」鶴見俊輔

【ジャーナリストの思い出】
「万延元年・他一編」三宅雪嶺
「自伝」浜田彦蔵
「新聞実歴談・他一編」岸田吟香
「新聞紙実歴」福地桜痴
「憲法発布と日清戦争・他一編」生方敏郎
「余が新聞に志した動機」黒岩涙香
「私の半生」野間清治
「『無思想人』宣言」大宅壮一
「告白」大熊信行

【ジャーナリズム論】
「新聞製作者とその人生観」馬場恒吾
「新聞記者を憎むの記」水上滝太郎
「流言蜚語の社会性」清水幾太郎
「新聞現象の分析」戸坂潤
「記録映画論」今村太平
「ラジオ文化の根本問題」長谷川如是閑

【同時代批判としてのジャーナリズム】
「『他山の石』抄・他一編」桐生悠々
「『近きより』抄」正木ひろし
「さらに深く集団の意味を」谷川雁
「”終焉”以後」吉本隆明
「雪と足と・他一編」むの・たけじ