恭子ちゃん、そして●最近読んだ11冊●『アナーキズム』【現代日本思想大系14】編集・解説/松田道雄 &いろいろ【スライドショー】

2008年4月25日 22:31:54

忙しい忙しい、と、思うと、本が読める。
実際に読んでいる。
脚本も書いている。
時間を決めて、きちんと仕事をしている。

書くために、読むために、調べるために、
確かに意識的に睡眠時間は削っている。
この肉体には、かなりの負担になっているだろう。

読んだのは、スライドショーの9冊と『トムくん オムくん』
そして、『アナーキズム』

写真

ヘア&メイクの木下恭子さんと会談、
というか、打ち合わせというか、談笑というか。

年齢は、もちろん自分とは違う。
けれども、何か、何か、通じるものが、ある。
なんだろう、と、話しながら考えていた。

あっという間の4時間。

以前、高木ごっこで、

『寿司をつまむその形而下の指先と、
同じ指が形而上を現出させることの驚異。』

と書いた。
それをあらためて思った。
何かを作り出すトリックなしの魔術性。
それをあらためて思った。

あっという間の4時間。

何か、何か、通じるもの。
それは、何か。
生まれた街も違う。
育った環境も違う。
すれ違ってきた他人性も違う。
性別も違う。
創ってきたものも違う。
何もかもが違うのに、なぜ、同じだと感じるのだろう。

マジックを創出させるその指先と
一本の脚本を書き上げる指先は、同じだろうか。
具体的なイメージを思想化させるその脳と、
一幕の演劇という絵画を目の当たりに見る脳は、同じだろうか。

そんなことを考えながら、次の舞台のヘア&メイクの話をすすめる。

真夏の8月、阿佐ヶ谷ロフトに
目の覚めるようなトリッキーな魔術を見る。

写真

この一週間。いろんなことが、進んだ。
劇団再生の次回公演のHPができた。
衣裳の打ち合わせをした。
友人が雑誌の表紙を飾った。
映画監督の大浦信行さんといろいろ話した。
なんでか、支払いが異常に重なった。
パソコン関係の試験を受けるため、願書を出した。

先日、鈴木邦男さんから、いろいろと資料が送られてきた。
それを読んだ。
それらは、表現論であり、読書論であり、芸術論。
読んだ。
線を引きながら、読んだ。

鈴木さんと話すべきことがたくさんある。
『日本思想大系』に取り組むことになったのも鈴木さん。
全86巻の思想書を一冊ずつ読んでいる。
秋が来る頃には、読了できそうか。

そして、今、自分が挑戦したいことが見えてきた。
現代に見捨てられた思想。
嫌悪され遺棄された思想。
それを、研究して、書いてみたい。
思想書というよりも、ドキュメンタリとして。

読み終えた『アナーキズム』

研究の立ち遅れていたアナーキズム。
人間本来の自然でピュアな思想。
かなうなら、その政治形態が本当に理想ではないかと思える。

可能ならば・・・

しかし、人間は、人間たる欲望を具体させた。
無政府主義が自然な思想だとすると、
人間の欲望もまた人間の自然だろう。
共存できないが故に、

今が、ある。


解説「日本のアナーキズム」松田道雄

【日本アナーキズムの生誕】
「堺兄に与えて政党を論ず」石河三四郎
「社会主義と個人主義」久津見蕨村
「一波万波」幸徳秋水
「世界革命運動の潮流」幸徳秋水
「余が思想の変化」幸徳秋水
「幸徳秋水氏の演説」幸徳秋水
「陳弁書」幸徳秋水

【大杉栄のアナーキズム】
《『近代思想』より》
「愚かなるものよ」「本能と創造」「近代科学の傾向」「法律と道徳」
「唯一者」「思索人」「道徳の創造」「奴隷根性論」「羞恥と貞操」
「社会か監獄か」「征服の事実」「奴らの力」「新しい女」「生の拡充」
「むだ花」「野獣」「鎖工場」「生の創造」「知識的手淫」
「正気の狂人」「賭博本能論」

《民本主義者たちにむかって》
「小紳士的感情」「僕らの自負」「民主主義の寂滅」「民族国家主義の虚偽」

《協調主義者たちにむかって》
「徹底社会政策」「労働運動の精神」「最近労働運動批判」

《日本社会主義同盟のころ》
「労働運動の転機」「社会的理想論」
「新秩序の創造」「労働運動と知識階級」

《中央集権主義とのたたかい》
「トロツキイの共同戦線論」「労働運動の理想主義的現実主義」

【大杉以後のアナーキズム】
《大杉をめぐる人びと》
「思い出すまま」近藤憲二
「無政府の事実」伊藤野枝

《日本のテロリスト》
「死刑を直視しつつ」和田久太郎
「英雄論」河合康左右

《純正アナーキズム》
「階級闘争説の誤謬」八太舟三
「解放に対するアナキストの役割」岩佐作太郎

《アナーキズムの美学》
「いかにしてアナキズムの芸術論は確立し得るか」麻生義
「共産主義党派文芸を評す」新居格

《今日のアナーキズム》
「ある対談」三好十郎
「政治のなかの死」埴谷雄高