●ちょっと3冊●『ピアニストならだれでも知っておきたい「からだ」のこと』『指揮者の仕事―朝比奈隆の交響楽談』『指揮棒は魔法の杖?』

2008年8月28日 18:47:55

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脚本を書いているのだけれども、そのために本を読んだりもする。
資料、と言われるものだ。一本の脚本を書くためにたくさんの資料を読む。

全くはじめてのテーマやモチーフを扱うときには、数十冊はよむかなあ。
今書いているのは、一度手がけたことのあるもの。
それでも新しい着想や、思いつきなんかがでてくると、資料を読む。
今日読んだこの3冊が、脚本の中でどんな形で生きてくるのか、全然分からないけれども、

読んでみた。

読んでみると、資料云々は置いておいて、やっぱり面白い。

そう、脚本を書いている。
書いている、というよりも脚本を彫刻している。
頭の中にフラッシュするいくつものイメージを万年筆の先っぽで削り取る。
削り取ったものを原稿用紙の上にのっけると、言葉になっていく。
そんな感じの「書いている」。

しかし、

はたとペンがとまる。

少しずつイメージを削り取り、言葉に変換されていってはいるけど、
それは、頭の中のイメージそのものではないのではないか。
そも、頭の中を完全に言語化できるのか?
いやいや、それを言っちゃ論点がずれる。
いや、しかし、それこそが、「書く」という作業ではないのか。
削り取っても削り取っても、頭の中のイメージは増殖するばかり。
恐るべき速度でフラッシュするそれらのイメージを一言一言追い続けることが、
速度的に可能か?

頭の中のこの全てを一言で言い得る言葉があればなあ。

脚本を書いている。

『ピアニストならだれでも知っておきたい「からだ」のこと』
著/トーマス マーク;トム マイルズ;ロバータ ゲイリー_訳/小野ひとみ;古屋晋一

『指揮者の仕事―朝比奈隆の交響楽談』朝比奈隆

『指揮棒は魔法の杖?』著/エックハルト・レルケ_訳/野口剛夫

今日読んだこれらの音楽関係の3冊がなんで今回の脚本と関連するのか、
自分でも良く分からない。
扱っているモチーフには全然関係ない。

関係ないのに、思いついちゃったら仕方ない。
読んでみた。

音楽家の体のこと。指揮者の哲学。指揮棒の哲学。
うーん。今書いている物語には連関はありそうになり。
ありそうにないけれども、なんでか関係ある。
不思議だ。おかしい。おかしいけれども思い付きを信じてみる。