【12月】《36冊/507冊/366日》●見沢知廉さんが獄中で読んだ本を5冊●『日本のテロリスト』『世界戦略を語る』『インドでわしも考えた』『21世紀への出撃』『十二年の手紙 その一』

2008年12月31日 22:47:02

写真

今年一年の読書数の集計をした。
毎月カウントしていたので、足し算をしただけ。
今年は、507冊。ノルマの500冊は、なんとかクリア。

1月・・・42冊
2月・・・36冊
3月・・・47冊
4月・・・47冊
5月・・・31冊
6月・・・48冊
7月・・・33冊
8月・・・66冊
9月・・・51冊
10月・・33冊
11月・・37冊
12月・・36冊

合計・・507冊

こうしてみると8月と9月に頑張ってる。
8月は、公演があったにも関わらず、今年一番の読書。
9月もその勢いが続き、ノルマ達成の目処がつき、最後の3ヶ月はマイペース。

来年は、少しペースを落とそう、と思っている。
一日一冊くらいのペースでいいんじゃないか、と。
500冊は、正直大変だった。睡眠時間を削らないととてもじゃないけど無理だった。
平均睡眠時間を2時間削った感じだろう。
とてもじゃない、体がついていかない。

もう少しゆっくり読んでみよう。
とはいえ、やっぱりノルマを決める。決めないと怠けてしまう。
ノルマがないと堕落する。それは間違いない。
ということで、来年の読書ノルマ。

月に、1万ページ。年間12万ページ。

公平にページ数でカウントしてみることにする。
今年のカウント方法は、雑誌・漫画・資料はカウントしない。
1タイトル、一冊。
上下2巻で1タイトルなら、一冊、というルール。
なので、今年読んだのは、507タイトル、ということになる。
正確に冊数というと、523冊。

と、「何冊」ということに関して、いろいろ解釈があるので、
公平にページ数でカウントしてみようと。
雑誌・漫画・資料はカウントしない。これは同じ。
そして、月に1万ページ。一日333ページ。大体一冊、という感じだろう。
まあ、今年よりはのんびりと読めるんじゃないかな。

『日本のテロリスト』室伏哲郎
『世界戦略を語る』小室直樹vs倉前盛通
『インドでわしも考えた』椎名誠
『21世紀への出撃』落合信彦
『十二年の手紙 その一』宮本顯治・宮本百合子

最近読んでいたのは、見沢さんが千葉刑務所獄中で読んでいた本。
実際に読んでいた本。見沢さんのお母さんから送られてきている。
それぞれの一番最後の扉に、348 高橋哲央 と書いてある。
獄中での見沢さんの番号だ。

本には、見沢さんが引いた線があちこちに。

見沢さんが読んだ後を何かにひかれる様に、読んでいく。
千葉刑務所独房、どんな思いでこれらの本を読んでいたのか。
そして、お母さんはどんな思いでこれらの本を差し入れていたのか。

大杉栄の「獄中記」「続獄中記」に、千葉刑務所での生活が描写されている。
時代は違うが、大杉栄が入獄したときに記したものだ。
それを読むと、刑務所というところがなんだか楽しそうなところに思えてしまうのだが、

実際そんなことはないだろう。
大杉栄も獄内でたくさんの本を読んだ。たくさんの言語を勉強した。
見沢さんもそうだった。12年で5000冊を読んだという見沢さん。
そして、英語やドイツ語を勉強していたという見沢さん。

12年で5000冊か・・・いいな・・・
言葉の勉強もできるのか・・・いいな・・・

入りたくなる。

まあ、入るようなことがあれば、おとなしく入るだろうし、
入らないですむならば、入らないでいるだろう。
原稿用紙を広げて、ペンを入れた。『詞篇・レプリカ少女譚』
もう20年も前に、脚本の基本的な書き方を勉強したことを思い出した。
脚本、という形式。原稿用紙の使い方、基本的なルール、台詞の記法、ト書きの記法。
原稿用紙の一枚目、ペンを入れた。

脚本の基本ルールからまったく外れている。
まったくめちゃくちゃだ。

どうしてこうなったのかな、と一枚目を書き終えることができずにペンを置いた。

たくさんの脚本を読んできた。仕事でも読んだし、勉強でも読んだ。
でも、おもしろい脚本がなかった。一本もなかった。
「読む」のが辛かった。それらの脚本はあくまでも舞台上演のためのテキストであり、

脚本は、作品ではなかった。
舞台上演の想定を読者に(半ば強引に)要求してた。
「これは脚本だから」と逃げをうった脚本ばかり。

これから何度も書き直し、原稿用紙をくしゃくしゃと丸め捨て、万年筆を突き立てる。
自問してみる。
(お前はこないだ劇団員に言ったじゃないか。
「約束された日がないと本気にはなれないのか。
その日がないと、その甘えをぬぐうことができないのか」と。
お前はどうなんだ。
何かを書くということと、芸術への憧憬と遊戯と、そしておまえ自身は)

自問してみる。偉そうに語るお前はなんなんだ。
彼ら以上のなにかがあるとでも思っているのか。思い上がるのもいい加減にしろ。
可能限界。

次の脚本にペンをいれた。画がある。一枚のきれいなきれいな画。
水彩で描かれた透視される画。
物語がその画の中で固定されている。その物語を画の中から読み解き、解きほぐすのが脚本家の本分だ。
画の中のどこかに、言葉が隠されている。
そのほとんどの暗号は見つけた。
あと一つ、いや、あと二つくらいか。
書き始めれば自ずとそれも見つけられる気もする。気がするだけかもしれない。
見切り発車をしてみようと、ペンを入れてみた。
原稿用紙一枚、書いてみた。
思ったよりもペンが進んだ。

あの画の中の暗号は、あと一つか二つか。

見沢さんの本をていねいにしまいながら、書いた原稿用紙を破いた。