稽古を終えた夜に暢気なコトバくん

2009年3月14日 23:56:08

写真

集中力、と言う。
自覚できるそれと、無自覚のそれがある。

と、集中力について書こうと思い、書き始めたけれども、
指が止まった。

首から背中にかけて、べったりと張り付いている凝り。
いや、疲れか? いやいや、そう感じているだけで、それほどでもないのかもしれない。
ただ、首筋から背中にかけて、不快この上ないノイズがわめき立てる。

今日も、今日の稽古を終えた。
たくさんの言葉を使った気がする。
どこかに何かが伝わったかな、と稽古場を出るといつもの夜。
時間が欲しい、時間が欲しい、

そう思う。

稽古の数時間だけが集中できている気がしている。
稽古場に入るためだけに、一日の体を調整している、そんな気がする。
稽古の数時間のためだけに、体を作っている、そんな気がする。

明日は、見沢さんの墓参りに行こう。
見沢さんと話したら、その足で小道具や美術を探しに行こう。

今日、連絡すべきところには連絡した。
今日、やるべきことはきちんとやった。
でも、まだやることは山積みだ。
時間が欲しい、時間が。

明日の天気はどうか。
見沢さんの墓参りだ。きっといい天気になるだろう。

稽古場を出て、飲みに行くというみなの楽しげな後ろ姿を見送った。

帰宅して、布団にひっくり返る。
このままでは寝てしまう、と思いつつも、ぱたりとひっくり返る。
脚本を読みやがれ! 明日の稽古のことを考えろ! と、
コトバの奴が言ってくれないかな、と思って見てみると、
暢気な顔をして、眠っていた。

「さて、やるか」と声に出し、跳ね起きた。
「着替えてやれ!」と声に出し、赤いパジャマに着替えた。
「コーヒーでも飲むか!」と声に出し、丸くて赤いマシンからコーヒーをおとす。

今からの数分が大切だ、
今からの数時間が大切だ、
今からの数日が大切だ、

やろう。

鞄から脚本を取り出し広げる。
頭の中に劇団員が踊る。
同時にスタッフ用の脚本を作り始める。
声に出して読みながら、照明さん・音響さん用の脚本を作り始めた。

ぼくたちの日曜日は、次の次か、
それとも次の次の次の日曜日か、

明日は、日曜日。コトバのようにのんびりするのも一興。
朝から動き回るのも一興。

暢気に寝ているコトバくん、
ぼくの脚本朗読にも起きる様子はなく、
(ぼくが留守の間にたくさん遊んだんだね。遊び疲れたんだね)

今日の高木ごっこも書いた。

さて、やるか。