●771●『私とは何か』『死とは何か』『埴谷雄高 作家の自伝』

2009年4月22日 23:36:35

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読むか、書くか、死ぬか、

それしかないとここに記し、
今もこうして本を開き、
目の、前に原稿用紙、万年筆に月夜を満たし、
これが最後の一冊か、これが最後の一行か、思い満たしの春の雪。

外から戻ると、
電池が切れて動かない時計を腕につけ、
モニタの横には電池を抜いた時計8時12分。
電池を入れれば、時間が延びるか、最後が延びるか。

読むか、書くか、死ぬか、結局それしかないじゃないか。

『麻雀放浪記』を観ながら、あんな博打を打ってみたいと、思う。
『パルプ フィクション』を観ながら、あんな美学を貫いてみたいと、思う。
『冬の華』を観ながら、凶暴な静謐、あんな、覚悟を持ちたいと、思う。

本を、読む。
故池田晶子女史。ぼくの大好きな作家だ。
ずい分前に、『睥睨するヘーゲル』『オン!』を読んで衝撃を受けたものだ。

『私とは何か さて死んだのは誰なのか』池田晶子(254)
『死とは何か さて死んだのは誰なのか』池田晶子(254)
『埴谷雄高 作家の自伝』監/佐伯彰一・松本健一(263)

まったく目が覚める展開だ。
池田さんの本を読むと、ただただ、楽しくなる。嬉しくなる。わくわくする。
ヘーゲルを読んだときのあの肉体が沸く感じと近いけれども、
池田さんのは、もっと感覚が、感情が、心が、浮き立つ。沸き立つ。
明日が、

もしかしたら、
あるんじゃないか、と、明るく思えてしまう。

嬉しくなって、楽しくなって、わくわくどきどきして、
次の本も池田さん。どんどん読める。読めて読めて、嬉しくなる。
最後の一冊がこれなら文句なし!
池田さんのを全部読み直そうかな、埴谷雄高と一緒に読み直そうかな。

嬉しくて、ひっくり返ったまま、どんどん読んだ。