『山川均集』【近代日本思想大系19】・『一つの戦史』『法隆寺の謎を解く』『ゴーマニズム宣言SPECIAL天皇論』『ゴーマニズム宣言SPECIAL パール真論』『武士ズム』

2010年1月17日 21:42:51

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脚本を書いている。いつ書きあがるのか。
一週間書き、土曜日の稽古で原稿をあべあゆみに渡す。
毎週その繰り返しだ。一週間で30枚書くこともあり、15枚のときもある。

先週書いたのは20数枚。
その原稿があべあゆにみより入力され、戻ってくるまで、ペンを置く。
今回は、本原稿とは別に、続きを書く上で必要な編集を頼み、
一本の脚本にも関わらず、戻ってきたのは、3つのファイル。

入力を待つ間、本を読む。
入力された原稿が戻ってきたのは、午前3時をまわっていたか。
ペンを置き、本を読んでいた。読んでいたら、面白く、そして読書の調子もよく、
朝まで読み続け、勢いでお昼近くまで読み続け、一時間ほど仮眠し、また本を手にした。

読書のときは、大体正座している。
正座の形が一番読みやすい。本と目の距離が一定で安定し、体に遊びがない。
だから、正座で読むことが多い。
でも、12時間近くもずっと正座ってわけにはいかない。
足は痛いししびれるし、飽きてくる。読み続けるために気分転換がいる。

立って読んでみたり、ベッドに腰掛けてみたり、
青竹を踏みながら読んでみたり、歩きながら読んでみたり。
そして、体がほぐれたら、また正座をして本を読む。

昨夜から本を読んでいた。
携帯でメールをしたりしながらも本を読んでいた。
読みながら、ぼくの言葉を引き寄せ、手に入れ、めちゃくちゃに押さえつけながら、本を読んでいた。
一冊と一冊の間にメールを送ったりしながら、本を読んでいた。

そこは、空の真ん中だ。
俺が、そこに連れてってやる、と、本を読んでいた。

午後になり、ようやく入力された脚本を読み直した。
3つのファイルを順に読んでいく。原稿用紙何枚書いたんだ。
あと何枚書けば終わるんだ。この終わりがない脚本に終わりがくるという矛盾が楽しい。
永遠に書いていられる物語だ。

脚本としては、完全に破綻している。そりゃそうだ。
そんなことは最初から承知の上。今ぼくが描いているのは、演劇だ。
午後の数時間をかけて読み直す。窓から射す陽があたたかい。暖房がいらないほどだ。
カチカチと時計の音がうるさい。電池を抜いた。2時42分で止まった。
パソコンからは、音楽。ランダムにかかり続ける音楽。演歌、サントラ、ロックに80年。
クラッシック、アイドル、三味にヘビメタ。室内の影がゆっくりと移動していく。

次の全集を取り上げた。『大川周明集』だ。数ページを読んでみる。
難しそうだな、と思った。でも、やっぱり楽しみだ。
枕元には、並読している『ミシュレ』。一日、物言わず、読書の暮れ方、煙草の煙、立ち上るに、一人。

『山川均集』【近代日本思想大系19】
『一つの戦史』影山正治
『法隆寺の謎を解く』武澤秀一
『ゴーマニズム宣言SPECIAL天皇論』小林よしのり
『ゴーマニズム宣言SPECIAL パール真論』小林よしのり
『武士ズム』堀辺 正史・小林よしのり

次の公演は、3月末だ。
あと、2ヶ月半。その2ヵ月半の動きをなんとなく作っていく。
今月は、こうして脚本を書いているだろう。
公演に協力していただく各方面に連絡し、あちこちに予防線を張り巡らせているだろう。
いつものことだ。

2月に入れば、本番の稽古が始まる。
週4日の稽古。同時に多分、いろんなことがあるんだろう。
舞台美術に舞台装置、制作関係と。時間が足らないかな。それもまあ、いつものこと。

3月か。もうすぐ本番。
スタッフとの打ち合わせに舞台効果。稽古は変わらず積み重なり、間もなく本番。
あれが決まり、これも決まり、演劇の望むことを叶えていけば、道は定まる。
決定権は、常に演劇が持つ。ぼくはいつもそれを追認輔弼するだけだ。

空の真ん中だ。
俺が、そこに連れてってやる、と夜を呼んだ。

読書の継続に目が悲鳴をあげている。
30分後に目覚ましをかけて、ベッドに横になり目を閉じる。
目を休ませれば、何もかも元通り。呼び寄せた夜に、脚本を書く。

空の真ん中。
俺が、そこに連れてってやる。

コーヒーを淹れた。一緒に飲むか、と。

『山川均集』【近代日本思想大系19】


編集・解説/高畠通敏

沙上のデモクラシー
民本主義の煩悶
資本主義のからくり

無産階級運動の方向転換
「方向転換」と其の批評
日本に於けるデモクラシーの発達と無産階級の政治運動
私は斯う考へる
或る同志への書翰
政治的統一戦線へ

共産党両巨頭の転向
世相を語る
転向常習者の手記

民主戦線のために
人民の戦線
民主戦線の諸問題
社会党は支持すべきか
日本社会党は再組織せよ
社会主義政党と労働運動の再編成
共産党との訣別
平和憲法の擁護
歴史のうねり
社会主義への道は一つではない
ハンガリアの動乱をめぐって
ある労働運動によせたことば

「ある平凡でなかった社会主義者」大内兵衛
「先生を憶う」向坂逸郎
「山川均」松田道雄

解説・高畠通敏

年譜

参考文献