コトバが止まり木から覗き込む。その下で横になって本を読む。ページをめくってコトバを見ると、眠っていた。

2010年2月1日 00:29:53

写真

写真

ひっくり返って本を読む。
月末か。今月は何冊読んだんだろう。
これまでは、毎月集計を出していたけれども、面倒だ。
ノルマは、年間400冊。そして、手元にある全集読破。
毎月数えることもないだろう。
夏を過ぎて、秋が来た頃にでも数えてみるか。

ひっくり返って本を読む。
今日も3冊読んだ。読んで書いて語って、言葉に溺れる毎日だ。
体の不自由なんか知ったことか。
それにしても、こんなところに来ちまった。
もちろん、引き返すつもりなんか無い。
後ろを見てももう、道は消えている。

前は?
困ったことに目の前にも道が無い。
ままよ。とりあえず一歩、歩いてみるか。
空の真ん中に落っこちるかもしれない。そんときはそんときだ。
砂漠の砂嵐に巻き込まれるか。それも一興。
そんなことばかり繰り返して、こんなところに来ちまった。

ひっくり返って本を読む。
コトバが止まり木からそんなぼくを見ている。

劇作家の看板を下ろすか。
もう脚本なんか書いてはいない。書いてるのは、演劇だ。
これまでにない演劇を書いている。
誰のためでもない。ぼくが楽しいから書いている。
上演するとかしないとか、誰が読むとかどうしたとか、
まあ、どうでもいい。

書きたいから書いている。
書いているものが脚本ではなくなった、というだけか。

ひっくり返ってページをめくる。
コトバを見上げると、安心しきった顔で眠っていた。