『左翼・右翼がわかる!』『生きる技術は名作に学べ』『時間はなぜ取り戻せないのか』『美女の歴史【「知の再発見」双書82】・『日本の思想』

2010年2月13日 22:38:44

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読書に救いを求める。

毎日の時間がぼくを苛立たせる。
眠ることも安息をもたらすことがない。
朝の目覚めは高濃度の疲労を体に張り付かせ、演劇もぼくを救いはしない。
肉体の滅びを望みながら、眠る。
全身の血を嫌悪しながら、起きる。
清々しい朝の散歩も偉大な真夜中も煌々の月もぼくを救いはしない。
ただ、本を読むことだけがかろうじて精神の均衡を保たせてくれる。

なんだ、やっぱりそうじゃないか。
結局、読むか、書くか、死ぬかしかないじゃないか。

真夜中だ。また真夜中がやってきた。ぼくの時間だ。
プレイヤに『LEON』をセットした。

今日中にやらなければならないことは、ある。でも、『LEON』をセットした。
毎日、やらなければならないことだらけだ。
どうなってんだ、まったく。この状況は望んだことか、それとも、外的圧力か。

読書の時間を作るために仕事をこなす。
本を読むために仕事をする。

『左翼・右翼がわかる!』佐高信×鈴木邦男
『生きる技術は名作に学べ』伊藤聡
『時間はなぜ取り戻せないのか』橋元淳一郎
『美女の歴史【「知の再発見」双書82】ドミニク パケ
『日本の思想』丸山真男

鈴木邦男さんの新著が発売されている。
先日、いつものように送られてきて、すぐに読んだ。
佐高信さんとの対談だ。一気に読み終えた。論点は深いのだけれども、わかりやすい。
そして、本文とともに豊富な脚注が秀逸。
対談本文に登場する人物・事件・用語を、ひとつひとつ丁寧に解説している。
この脚注だけでも、知識や思想の整理になる。
以下、こんな脚注群。(アマゾンより転載)

【美輪明宏】
【二・二六事件】
【大杉栄】
【あさま山荘事件】
【毛沢東】
【大川周明】
【石橋湛山】
【雨宮処凛】
【尊王攘夷】
【アジア主義】
【小林多喜二】
【中江兆民】
【玄洋社】
【島津斉彬】
【大久保利通】
【北一輝】
【大逆事件】
【赤報隊】
【丸山眞男】
【松本清張】
【児玉誉士夫】
【重信房子】
【孫文】
【宮崎滔天】
【安岡正篤】
【天皇機関説】
【レーニン】
【トロツキー】
【赤尾敏】
【白樺派】
【魯迅】
【中島岳志】
【石原莞爾】
【中野重治】
【出口王仁三郎】
【治安維持法】
【ヤマギシ会】
【よど号事件】
【斎藤貴男】
【破防法】
【チェ・ゲバラ】
【教育勅語】
【辛淑玉】
【東條英機】
【新撰組】
【森達也】

こうして眺めてみるだけで、うきうきしてくる自分がいる。
それにしてもお二人の話が面白い。わかりやすい。
決して、簡単な内容を話しているわけではないのだけれども。

もうすぐ真夜中だ。ぼくの真夜中が近付いてくる。
読みかけの本がぼくを待っている。
ジャン・レノが静かに呟く。
ナタリー・ポートマンがその目線の先に存在を見る。
ゲイリー・オールドマンが静かに在りすぎる。

ぼくの真夜中がすぐそこだ。
やることをやるか。
目の前に流れる『LEON』がわずかに、わずかにぼくを落ち着かせる。

開いたままの読みかけの本を横目に見ながら、
ピアノを弾く。