『明治思想集』【近代日本思想大系31】・『明治思想集』【近代日本思想大系32】・『おかしな人間の夢』『戦後政治家暴言録』『安楽の門』『刺青(タトゥー)白書』『人間失格』

2010年2月22日 21:33:38



目の前が区立図書館という案外恵まれた環境にいる。
ここ数週間、数時間の時間が空くと通いつめた。
どうしても手に入らない本を読むためだ。
古書なのだけれども、どこを調べても売ってない。流通してないんじゃしょうがない。
出てくるまで待つか、それとも、神田や早稲田の古書店を足を棒に探し回るか。
そう考えていたのだけど、読みたくて仕方ない。
調べてみると目の前の図書館にはあるじゃないか。
まあ、借りてみるか、と図書館に行くと、閉架にはいっている。
お願いしてみたけど、やっぱり借り出しはできなかった。
仕方ない。
通うしかしないか、とここ数週間通いつめた。
【近代日本思想大系】だ。その『明治思想集・』

近代日本思想大系は、一冊ずつこつこつと買い揃えてきた。
最初の頃は、800円くらいで買えていたのに、
流通が少ないものになると、3000円オーバーになってきた。
そして、全35巻のうち、残6巻までいったところで、残りの流通がなくなった。

やむなく、図書館。

環境が違うからだろう。最初は、なかなか本に集中できなかった。
子供たちや、近所のおっさんらの雰囲気がうるさくてしかたなかった。
それに煙草も吸えない。コーヒーもない。
疲れたからと横にもなれない。こんなとこで読めるか! と思ったものの、仕方ない。

数時間の空きができると、真面目に通って読んだ。
読み終えた。読み終えたけれども残念なことに画像がない。いずれ入手したらだ。

残すところ、あと4巻。山頂はすごそこだ。

『明治思想集』【近代日本思想大系31】
『明治思想集』【近代日本思想大系32】
『おかしな人間の夢』ドストエフスキー
『戦後政治家暴言録』保阪正康
『安楽の門』大川周明
『刺青(タトゥー)白書』樋口有介
『人間失格』太宰治

先日、友人R(S)氏と数時間を話した。
数ヶ月に一度の恒例の時間だ。彼と話すのは楽しい。いつも何かをくれる。
今回彼は、一本の脚本完成に結びつく、「完全な一言」をくれた。
その一言で、一本の脚本が頭の中で完全な像を結んだ。
すぐにでも書き始められる。それほどの完成度だ。
もちろん、実際に書き始めるにはたくさんの資料にあたらなければならないけれど、

彼の発したその一言は、恐るべき衝撃を持って入り込んできた。
その「結ばれた像」に頭は興奮しっぱなしだ。
舞台が見える。
役者が見える。
言葉がありありと見える。
美術が照明が音楽がありありと。

彼と話すのは楽しい。
ベースとなる頭がニュートラルにありながら、すぐにどのギアにでも入れられる彼は、
その才を仕事に、私生活に発揮している。

その日の会話の始まりは、バブルの話からだった。
高木さんは、バブルを経験したんですね、と。
ぼくは、小学生だったから経験してないんです、と話はスタートした。
そこから、株価の話になり、インフレだのデフレだの、と話は進み、
現在の日本経済の特殊性に話は及び、東西の戦時経済の話になり、
税金の話になり、国体から芸術の話になり、脚本の話になり、
カリスマと宗教の話になり、思想と哲学の話になり、
キリスト教と仏教と新興宗教の話になり、宗教特区思考実験をし、
自己認識の話になり、

あの「完全な一言」が彼の口から呟かれた。

「そういえば・・・・」と。

帰宅して、それを書きとめようとした。
けれども、こんな衝撃絶対に忘れるはずが無い、と真夜中が近付き、ぼくは笑った。
また今日も真夜中が近付く。

体が、「体」だと認識せずにはいられない。
体を「体」と感じ、認識しているときは、「体」の調子が思わしくないときだ。
わかってる。わかってるから。
体のあちこちから、声なき声が聞こえてくる。
そのうちの一つでも静かにしてくれた、眠れるのにな。

聞きたくない声ばかり、聞こえてくる。
いろんな声が聞こえてくる。

一つでも静かにしてくれたら。

考えていたいんだ。彼が呟いた完全な一言を考えていたいんだ。
もっともっと高度に考えていたいんだ。もっともっと激しく考えていたいんだ。
もっともっともっと静かに考えていたいんだ。

頼むから、静かにしてくれ。