『荒野―12歳 ぼくの小さな黒猫ちゃん』『荒野―14歳 勝ち猫、負け猫』『荒野―16歳 恋しらぬ猫のふり』『調律の帝国』『塵中に人あり』『倫理と無限』

2013年5月31日 23:56:57



世界はいつだって開かれている。

ぼくの真ん前に君の目の前に

君は、「世界、世界って言うけれど、世界って何?」と問うた

そう! そこなんだ、問題は

ぼくは丁寧に理解して「世界」という言葉を利用するが、さて

その理解をどうやって君に説明しよう

言葉では説明できない美と言うものがあるのだよ

と言っても君にはまだわからないかな

誰かのように言葉を追求すればするほど「世界」を喪失することもあるんだ

と同時に喪失の瞬間に「世界」を手中に収めてしまうこともあるんだ

ぼくはぼくの理解と説明できない美にこそ「世界」があると信じている

だからこんなにぼくをすり減らしながら作品を創っているのだ

わからなくてもいいんだよ

わからなくてもいいんだ

『荒野―12歳 ぼくの小さな黒猫ちゃん』桜庭 一樹
『荒野―14歳 勝ち猫、負け猫』桜庭 一樹
『荒野―16歳 恋しらぬ猫のふり』桜庭 一樹
『調律の帝国』見沢 知廉
『塵中に人あり』野村 秋介
『倫理と無限』エマニュエル・レヴィナス