『科学技術の思想』【戦後日本思想大系9】編集・解説_星野芳郎

2007年11月17日 23:54:21

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それにしても、本ばかり読んでる。
もちろん、仕事をしつつ、
そして、日々の雑事をこなしつつ、
活動を考えつつ、

今日、書店を覗いた。
いつもなら、小説系・物語系の新著に目がいくのだけれども、
なぜか、心が躍らない。

足は、哲学・思想・経済とかの方へ方へと。

本ばかり読んでいる。

『科学技術の思想』【戦後日本思想大系9】
編集・解説_星野芳郎

鈴木邦男さんにご教授いただいた日本思想体系。
「戦後日本思想大系」全16巻。
着々と楽しみつつ、9巻を読了。
下記の目次を見ていただけるとわかるけれども、
なじみのない分野。

素粒子、中間子論、リーマン、
建築、進化論、ダーウィニズム、
神のデザイン、幾何学、原子、電子、

興味はあるけれども、なじみがない、といった感じか。
素人にわかるように書かれた論文ではなく、
あくまでも学会に発表された論文が主。

その妥協のない編集が心地よく、
「分かろう」「理解しよう」との意気込みをはなっから挫き、

本巻は、分からないなりにも楽しめ、
一気に読み終えたのでした。

戦後20年を経た時代。
闘いに闘いを生きた科学者。
政治と闘い、
無理解と闘い、
一冊の海外の論文と闘い、
1000分の1ミリと闘い、

その執念は、本書400ページの隅々に張り付き、
時代を超え。

編集・星野芳郎
解説「戦後科学技術の思想」星野芳郎

【物質の本質の探究】
「中間子論30年」湯川秀樹
「素粒子論と哲学」坂田昌一
「星の進化から銀河の進化へ」武谷三男
「リーマン幾何学成立の背景(抄)」近藤洋逸

【統一的な生命像の形成】
「現代生物学の進路」
・・・山田常雄・野島徳吉・川田信一郎・林雄次郎・中尾真・佐藤七郎
「ルイセンコ説の問題点」吉川秀男
「現代遺伝学と進化論」武谷三男
「生物学の歴史と現代の課題」八杉龍一
「正統派進化論への反逆」今西錦司
「意識の発生」岡田靖雄
「危機の学としての生態学」吉良龍夫

【技術と人間】
「伝統と創造」丹下健三
「住宅の階層と機能」西山夘三
「生物工学」鈴木良次
「技術の論理」星野芳郎

【科学者・技術者運動の思想】
「素粒子論グループの問題」片山泰久・山田英二
「非科学の科学」武谷三男
「新しい研究の方法(抄)」山下昇
「闘争宣言」東大都市工大学院闘争委
「公害論ノート」湯浅欽史
「公害闘争は反体制運動か」宇井純