『美の思想』【戦後日本思想大系12】編集・解説_羽仁 進

2007年12月11日 00:13:49

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最近、師走のせいか、本の話で持ちきりです。
高木の周りでは、あの本、この本、読書がどうした、
と、
本と読書の話題が溢れています。
今日、お会いした演劇人とは、大学での話から、
哲学の話へと展開し、やっぱり「本を読む」話へ。
昨日あった方とも、会うなり読書の話で、
しまいには、書店に同行し、
木村三浩さんおすすめの(そして高木も大おすすめの)
『邪宗門』を買わせ、

そして、現在高木が取り組んでいるプロジェクト。
コード名「鈴木邦男」
横道にそれていましたが、すぐに軌道を戻しました。
さて、このプロジェクトの発端ですが、

鈴木邦男さんが、
ご自身のHPでの『今週の主張』で詳しく書かれています。
そう!まさにその通りで始まったプロジェクトです。

鈴木邦男『今週の主張』

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この今週の主張は、毎週月曜日に更新されています。
豊富な話題とその論旨の深さ。
軽妙な語り口に中毒になるでしょう。
毎週月曜日が楽しみになります!

鈴木さんが書かれているように、
全く凄い全集です。
少しまとまって時間があれば、
一日に一巻読める感じです。
というよりも、
面白くて眠れないのです。
眠るまで読もうと、本と共に横になっても、
面白くてどんどん読んでしまう。

終わりが見えてくれば、腹をくくって、
明日のことなど考えず、
寝不足などものともせずに、布団から抜け出し、
一気にラストまで。

そんな感じの本です。

『美の思想』【戦後日本思想大系12】
編集・解説_羽仁進

さあ、全16巻の12巻目を読了です。
「美の思想」
潔いタイトルです。
抽象なのか、具体なのか、分からないけど、
「美」という一語にかけた潔さ。

解説のあとすぐに登場するのが、
あの武満徹!大好きな作曲家です。
あの実験性と先見性。
そして、古典への深い造詣と愛情。

岡本太郎の一文は人柄を髣髴とさせる力を持ち、
小林秀雄の言葉からは、まざまざと一幅の絵が浮かび上がり、
花田清輝の清廉な心持は、透明な純粋を見、
木下順ニの流れるような形容は、日本の、まさに美を現出させ、

あっという間に読み終えてしまいました。

『日本思想大系』その真髄は、鈴木邦男さんが喝破されています。
その生き続ける息吹と
消えることのないエネルギーに少しでも触れたい、
そして、少しでも我が身に、

と、思いつつ、プロジェクトはどんどん進むんです。


編集・羽仁進
解説「芸術・魔術・技術」羽仁進

【美は存在するか】
「ぼくの方法」武満徹
「『手の変幻』より」清岡卓行
「世界拡大計画」高松次郎
「現代観衆論」東野芳明

【前衛と伝統】
「『底辺の美学』より」松永伍一
「美の終末」水尾比呂志
「曼荼羅抄」岡本太郎
「狂言の伝統」武智鉄二
「鉄斎」小林秀雄
「日本製ということ」花田清輝

【美は何をもたらすか】
「美学入門」中井正一
「戯曲におけるリアリズムほか」久保栄
「イギリス」木下順二