●反動か、最近怒涛の11冊●『他人の顔』『第四間氷期』『富嶽百景』『駅路』『十津川警部の抵抗』『山頭火句集』『青女論』『ルパンの大失敗』『へんな判決』『お笑い革命日本共産党』『ゲバ棒と青春』

2008年8月7日 01:14:27

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7月の読書量の少なさに呆気にとられ、これじゃいかんと喝を入れた。
現代日本思想大系をむさぼり、近代文学館で触発されて公房・太宰を引っ張り出し、
某会の書棚から現在では入手困難な書籍をあさり、

7月の反動か、片っ端から読んでいく。
どんどん読んでいく。読んでも読んでも読んでいく。読み飽きることなく読んでいく。
集中が切れることなく読んでいく。睡眠時間なんてなんのその、眠っていても読んでいく。

安部公房にはどれほど影響を受けただろう。
その思考性、その着想、その展開。どれほど感化されただろう。
絵画的小説、と言われるけれども、安部公房のそれは、小説ではない。
一枚の絵だ。
『他人の顔』では、ポストカード大の水彩の闇を見る。
『第四間氷期』では、無限号の塗りたくられた油彩の恐怖を見る。
なんという闇。
寺山修司は、「もっと闇を!もっと言葉を!」と叫んだ。
そうなんだ。
見つめ続けた闇の中で、その森閑とした闇の中で真に欲せるのは、多分、

もっと闇。

光なんかではない。闇の中での光は、偽善だ。そして、逆もまた真。

僕は、あの命を救いたい。
救える、そう信じて、脚本を書いている。

『他人の顔』安部公房
『第四間氷期』安部公房
『富嶽百景』太宰治
『駅路』松本清張
『十津川警部の抵抗』西村京太郎
『山頭火句集』種田山頭火
『青女論』寺山修司
『ルパンの大失敗』モーリス・ルブラン
『へんな判決』のり・たまみ
『お笑い革命日本共産党』テリー伊藤
『ゲバ棒と青春』毎日新聞社会部編

鈴木真眼女史の書展で何かがここで動いたのだろう。
どうしても山頭火に触れたい。
句集だ。ゆっくりと読んだ。20年以上も前に触れた山頭火。
涙が、どうしても、にじむ。「まっすぐな道でさびしい」
こらえ切れずにベランダに出る。「どうしやうもないわたしが歩いてゐる」
大きく息を吸うことしかできない。「このみちをたどるほかない草のふかくも」
生きたい。「落ちかかる月を観てゐるに一人」

一息に読んだこれらの本。
本当に一息で読んだ。次から次に読んだ。
その合間にたくさんの漫画も読んだ。鈴木さんから送られてきた漫画を読んだ。
資料として漫画を読んだ。

「結婚式のウェディングケーキがケバケバしく、傾いていたせいでPTSDになった」
と訴えがあった。きちんと判決が出ている。

「大工さんが全裸で仕事をしている」と訴えがあった。判決が出た。

「死んだ恋人と結婚させてほしい」と訴えがあった。判決が出ている。

本ばかり読んで、頭が痛くなっている。
ひどい頭痛だ。手近にある薬じゃ全然効かない。目の奥が痙攣する。
脂汗が出る。それも一興。今日、4冊目の本を開いた。