●戦争関係で3冊●『グアンタナモ収容所で何が起きているのか』『大東亜戦争の秘密』『いま真実を明かそう』

2008年8月27日 17:57:09

写真

あの日の明け方に見た何万枚もの舞台のイメージ。
眼を凝らすと目の前に現れる。頭の中に阿佐ヶ谷ロフトが住みつき、
いつでも劇団再生の舞台が上演されている。
愉快な体験だからいいんだけど、それが言葉にならない。
脚本にならない。あの画を言葉にできるのか?
頭に見えるさまざまなイメージ、フラッシュする光。
映画に近いか?いや、違うなあ。近いのは、「思い出」か。
体験してきたいろんな「記憶」がフラッシュしている感じが近いかも。
走馬灯のように、と表現される、そんな感じなのかもしれない。

とはいえ、それらの画を解体している。
少しずつ万年筆の先っぽで削り取っている。
削り取りながら、原稿用紙の上でそれらが言葉に変わるのを見ている。
書いている、という感覚とは違うんだな。

原稿用紙の上で言葉に変わっていくそれらを見ながら、
ひとごこのように「面白いなあ」と思う。

原稿用紙は、劇団員あべあゆみの手に渡り、データに入力される。
土曜日の稽古で原稿を渡すと、数時間後の真夜中にデータが送られてくる。
土曜日の真夜中に、あべあゆみが原稿を入力している。
何を思いながら入力しているのか。
そんなことを思う。入力されている数時間だけは、万年筆を休めている。

今、数枚がデータ変換され、パソコンの画面に表示されている。

続きの彫刻を始める。
万年筆で頭の中の画を削り取る。

『グアンタナモ収容所で何が起きているのか』アムネスティ・インターナショナル日本
『大東亜戦争の秘密』森嶋雄仁
『いま真実を明かそう』瀬島龍三×衛藤豊久

なんだか、「戦争」関係の本を3冊。
某会の書棚あったものを借りてきて一気読み。
画像の無い2冊は、自費出版系の本。著者名を見ればぴんとくる人もいるでしょう。

読んで、やっぱりいろいろと思う。
思うけれども昔みたいに自分が一元的でなくなっていることに気が付く。
驚くほどに多角的に見ている。
思想大系を読み込んできたからなのか、右も左も関係なく読んできたからなのか。

そして、真実が多すぎるからなのか・・・

いろんな立場で「真実」が書かれている。
全く逆の事実が「真実」と書かれている。

ぼくには、歴史の真実を決して知ることはできない。
同時代に全ての場所全ての時間を経験することはできないのだから。
真の歴史書を書くことは不可能だ、と中国の偉い史家が言ってた。

そりゃそうだ。
自分が見たことさえ「真の真実」かどうかわからないのに、
他者からの伝聞や、一枚の資料なんかで、書けるわけが無い。
完全無欠の真実を知る方法があるのかな。
人智じゃ無理なんじゃないかな。

月だって、地球の半分しか見えない。
太陽だって、地球の半分しか見えない。

神様か、やっぱり。

たくさんの本を読めば読むほど、「真実」がいっぱい。
「真実」を選べってことなんだろうなあ・・・
それで、みんなは立場をはっきりしていくんだろうな。
先の大戦の真実にしても、

右側に立ったり、左側に立ったり、赤色で立ったり、旗を立てたり。
それぞれがそれぞれの「真実」を信じているんだろうな。

そうだ、神様になろう。