●3冊読んで●『日本をみつめるために』/『遠景と近景』柳田知常/『マルキシズム』【現代日本思想大系20】編集/内田義彦・大塚久雄・松島栄一

2008年5月15日 23:01:23

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劇団員の田中惠子くんに借りた本。
想像以上に面白い内容でした。

『日本をみつめるために』

指揮者の松尾葉子女史、狂言の野村万之丞氏、脚本家の小山内美江子女史、
作家の森博嗣氏、絵本作家の五味太郎氏、そして、あちこちの大学の先生たち。
そして、この本に挟まっていたプリントは、
ベアテ・シロタ・ゴードン女史の講演のメモ。
ベアテさんにお会いした横浜を思い出します。

この特別講義集の副題には、「伝統と創造」とつけられています。
こんな方々の講義を聴けるなんて、大学ってやっぱりいいなあ、と思うのです。
まだ遅くはない。と、知ってはいるけれど、
そんな時間なんか全然無い。
いろんな勉強をしたい。
知りたいことばかりだ。
そうだ、

先日、いろんな原語を話したり、読めたりする友人に聞いてみました。

ロシア語って、難しい?

「難しいですよ。格変化がたくさんあり、古文をやりながら英語を把握する感じです」
となんだか分かったような分からないような説明。
中国語・ロシア語・英語・アラブ語・あといくつかの言語を理解する彼の言うことだから、多分、正しいのだろう。

けれども、やっぱりロシア語を理解したいな。
ゆっくりやろうかな。

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次回公演の脚本を順調に進められているからなのか、
読書もきちんとできている。
たくさんの本を読むために、やっぱり睡眠時間は削らざるをえないけど、
昨年より、平均2時間ほど睡眠を削っているのかな。
肉体の満足と、精神の満足。
はかりに掛けるまでも無い。

『遠景と近景』
柳田知常

有島武郎、倉田百三、藤森成吉、萩原朔太郎、佐藤春夫、太宰治、

ローマ字国字論の推移、殺す者と殺される者と、2・26事件、国体明徴運動、

「天皇ハ神聖ニシテ侵スベカラズ」「陛下、何といふ御失政」
安田與重郎、高村光太郎、愛国心の問題

そんな小題が目次に並んでいます。
副題は、「昭和初年の文学と思想の状況」

副題どおりの内容です。
この中で一編だけを読みたくて、探し回って、
ネットの古本屋さんで見つけた本。
目的の論文は、実は、それほどの内容でもなかったのですが、
(すでに知っていることであり、新しい情報はなかった、という意)

その他の論文に白眉なものが。

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そうやって、あちこちによりみちをしながらの読書。
(今年は『日本思想大系』一本で行こう)
という年頭所感は、もろくも崩れ去り、
あっちにふらふら、こっちにふらふらと、手当たり次第に読みつつも、『日本思想大系』も読みつつなのです。

『マルキシズム』【現代日本思想大系20】
編集/内田義彦・大塚久雄・松島栄一

マルキシズムですよ・・・

これまで、興味はあっても全く手を出してこなかった分野。
マルクス・レーニン・資本論・日本社会主義・・・
これは、

難しい・・・

難解!、というのではなく、自分の思考にない回路なのかなあ。
日本における社会主義の発生と発達。
その辺は、理解しているし面白い。
交錯する人物模様。発展する思想。逆行する政治。分裂と統合。弾圧。

社会主義、アナーキズム。
それらを取り巻く日本の状況。欧米列強の状況。
それは、面白い!

んで、そこに、入ってきているのが、マルキシズム・・・
こやつが難解。
マルキシズムの経済的側面と哲学的側面。
そして、実政治への応用。
その辺がきちんと理解できないと、進めません。
自分は、まったく整理理解できていません。

次の巻は、『マルキシズム』・・・


解説「日本におけるマルキシズムの展開」松島栄一

【発端】
「日本資本主義発達史」野呂栄太郎
「清算明治維新史研究」羽仁五郎

【日本資本主義】
「わが国小作料の特質について」櫛田民蔵
「日本資本主義の合理的把握の一典型」山田勝次郎
「『日本資本主義分析』における方法論」向坂逸郎
「ブルジョア民主主義運動史」平野義太郎

【明治維新】
「幕末における社会経済状態・階級関係および階級闘争」羽仁五郎
「明治維新の革命と反革命」服部之総

【絶対主義・マニュファクチュア・アジア的生産様式】
「絶対主義論」服部之総
「徳川時代のマニュファクチュア」土屋喬雄
「アジア的生産様式」羽仁五郎